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ニュースリリース

BSC工法(微細藻類で土砂流出を防ぐ技術)がNETIS「令和7年度推奨技術」に選定

2025年5月7日

教育・学術

東京農業大学は日本工営株式会社、株式会社日健総本社と三者包括連携を締結しており、微細藻類を活用して土壌表面の侵食を防止し、草木の植生遷移を促す技術(以下「BSC工法」)の研究とその施工実施に取り組んでいます。

BSC工法は、これまで国土交通省が提供する新技術情報提供システム(NETIS :New Technology Information System)に登録されていましたが、この度、「令和7年度推奨技術」に選定されました。推奨技術選定は、登録新技術を外部有識者が審査する過程を経て公共工事等に関する技術の水準を一層高めると評価された画期的な新技術であり、公共工事における施工者の総合評価方式や工事成績評定の加点、新技術情報提供システム(NETIS)の認定掲載期間の延長などのインセンティブが付与されます。

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厚木キャンパスBSC工法研究現場前での記念撮影(2022年)

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北海道オホーツクキャンパス圃場での実施模様(2024年)

BSCとは、Biological Soil Crust(バイオロジカル・ソイル・クラスト)の略称で、土壌表面に形成される土壌微生物のコロニーです。土壌崩落箇所に微細藻類を主原料とした開発素材を吹き付けると微細藻類が土壌に定着し、BSCが形成されて植物の種子の活着性が高まり、植物が根付き緑地帯や森を形成する植生遷移のスターターとなって植生の形成を早める効果があるとされる国立研究開発法人土木研究所と日本工営株式会社が世界で初めて開発した工法です。この工法をベースに日本工営株式会社、株式会社日健総本社および東京農業大学が共同でさらなる技術開発を進めています。

土壌藻類を土木資材として活用する例はこれまでなく、地域生態系に配慮しながら様々な場所に適用が可能で、容易かつ安価に実施できる汎用性等が高く評価され「令和7年度推奨技術」に選定されました。

NETIS掲載概要

NETIS掲載概要 NETIS 登録番号︓ OK-170002-VR
技術名称 侵食防止及び植生の自然侵入促進をはかる土壌藻類資材
技術概要 本技術は、崩壊斜面、工事による荒れ地やのり面に吹付けるための土壌藻類資材です。従来は人工素材で対応していした。本資材の活用により、自然状態では時間を要する裸地面等への土壌藻類の被覆を早期に形成させて土壌侵食を防止し、植生の自然侵入を促進します。
詳細 https://www.netis.mlit.go.jp/netis/pubsearch/details?regNo=OK170002%20

東京農業大学は、今後も総合農学を推進する大学の強みを活かし、社会が抱える課題の解決に貢献する技術開発に取り組んでまいります。

本研究開発に関わる学内研究者(大学院生を含む)

森林総合科学科 江口 文陽 教授、矢部 和弘 教授、橘 隆一 教授、足立 幸大さん(博士後期課程2年)
生産環境工学科 渡邉 文雄 教授、鈴木 伸治 教授
北方圏農学科 岡田 慶一 助教

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