東京農業大学

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教員コラム

『実学』の拠点、地域にも貢献

2011年10月13日

生物産業学部食品科学科 教授 永島 俊夫

オホーツク新食品誕生記

食品加工技術センター

東京農業大学の各キャンパスには各種食品加工の設備を設置した食品加工技術センターがあります。センターでは学生の食品加工実習のほか、卒論研究、企業との連携による製品開発などに利用され、農大の教育理念である「実学」を実践する場として活用されています。今回より、北海道網走市の生物産業学部(オホーツクキャンパス)のセンターで取り組んできた各種食品の製品開発について紹介します。

農大の食品加工施設は、昭和23年用賀農場内に設置された畜産加工試験所が始まりです。畜産会社と契約、学生の実習にも使われ、製品は「農大ハム」として知られましたが、用賀農場売却などの事情で廃止されました。また、千葉県茂原に分校があった時代には、そこに乳加工研究所も設置されていました。

その後これらの施設を統合し、昭和40年、世田谷キャンパスに各学科の共用実習施設として、総合農産加工実習所が設置され、肉加工部門、乳加工部門、農産加工部門に分け、農芸化学科、畜産学科、醸造学科の食品製造分野の先生の指導による各種食品加工実習が行われるようになりました。昭和60年には12号館が完成し、実習所はその1,2階に移転、現在の世田谷キャンパス食品加工技術センターとなりました。平成元年には生物産業学部が開学し、キャンパス内に食品加工実習所が設置されました。その後厚木キャンパスにも同様の施設ができ、名称も統一され現在それぞれのキャンパスには「食品加工技術センター」として設置されています。

私の所属するオホーツクキャンパスでは、平成6年には別棟の9号館が建設され、当初研究棟の中にあった施設を移転して現在のセンターになりました。このオホーツクキャンパスのセンターの特徴は、すべての乳製品加工ができる機械を設置していることと、ビールの醸造装置をもっていることです。そのほか、製菓製パンや食肉加工の各種機械、レトルト殺菌機などがあります。この施設では9業種(かんびん詰、そうざい、水産練り製品、食肉製品、乳製品、アイスクリーム、乳酸菌飲料、菓子製造業)につき保健所より営業許可を取得しており、衛生面においても十分配慮された施設になっています。一般企業からの製品開発にかかわる委託研究なども多く、その成果は各社に還元し役だっています。そのほか、一般市民や高校生などを対象とした食品製造の実習なども行っており、学内だけでなく広く地域にも貢献しています。このように、食品加工技術センターは食品加工に関するいろいろな面での教育研究、地域活性化などに貢献しており、実際に多くの新製品も生まれています。

 

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