東京農業大学

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学生が挑む!研究紹介

大豆発酵食品の糖尿病に対する予防効果を研究

2010年10月15日

平成21年3月卒 調味食品学研究室 京都大学大学院農学研究科進学 村山浩一

醤油醸造において麹菌が生産するX-プロリルジペプチジル-アミノペプチダーゼ(PAP)は、醤油の呈味(おいしさ)形成に極めて重要な働きをする酵素です。近年、XPAPはヒトの2型糖尿病の発症に大きく関与することが判明しました。XPAP阻害物質として、プロリン含有トリペプチドやジペプチドが知られていることから、醤油、味噌および納豆など、大豆タンパク質由来のペプチドを多く含む発酵食品にもXPAP阻害物質が存在し、2型糖尿病の発症を軽減できるのではないかと考えられます。私の研究は、麸麹からAspergillusoryzae(麹菌)由来のXPAPを精製し、大豆発酵食品からXPAP阻害物質の検索を行うことで、大豆発酵食品の2型糖尿病に対する予防効果について検討するというものでした。大豆発酵食品という日本人にとって身近な食品を日常的に摂食することで、糖尿病予防効果が期待できる可能性がある点で、非常に社会的に有用な研究だと考えています。醸造学は単独で成立する学問ではなく、生化学や生理学、 微生物学など一見関係しないような領域までも包括する学問です。醸造学科には、清酒や醤油・味噌などそれぞれの醸造業の跡継ぎの人や、さまざまな年齢の人がいます。醸造に携わったことのない人も含め、グループで醤油や酒を製造するのは非常に面白い毎日でした。工学系の大学を卒業後、醸造学科に入学し、4月からは大学院に進学します。大学院卒業後は家業の造酢業を継いで、醸造業界全体を盛り上げていきたいと考えています。

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