東京農業大学

メニュー

学生が挑む!研究紹介

キノコの力で有害な化学物質の分解に取り組む

2010年10月15日

平成21年3月卒 食品微生物学研究室 応用生物科学部醸造科学科編入学 原いづみ

食品微生物学研究室では、発酵関連微生物の利用や食品の開発だけでなく担子菌の利用についての研究もおこなっています。食べ物としてのイメージしかなかったキノコを活用して、環境問題にも取り組めると知り、驚いたと同時にとても関心がわきました。そこで選んだ研究テーマが、環境汚染物質である加硫促進剤を分解できる機能をもった担子菌の検索です。タイヤなどのゴム製品を作る過程で用いられている加硫促進剤は処理が難しく、環境に被害を及ぼすとして現在埋め立て処理をおこなうしか方法がありません。そこで、事前にピックアップした約70種の担子菌の酵素液からこの化学物質を効率的に分解できるものはないか、ひとつずつ分析していきました。担子菌の酵素を抽出するための培養の過程で、植菌した培地に菌糸が少しずつ生育していく姿を観察するのは楽しかったですよ。醸造学科で学び、実感したのは、日本の食文化の素晴らしさでした。味噌、醤油、納豆、鰹節など、古くから多くの発酵食品が取り入れられていたことで、日本は長寿の国になったといっても過言ではありません。最も印象に残ったのは実験の一環で行った醤油や味噌、清酒の実習です。班ごとに仕込みをおこなうのですが、完成してみると不思議なくらいに色や味、香りに違いを感じました。普段、何気なく食べていた醸造食品ですが、製造には微生物が関係してくるが故、均一な品質の製品を造るのがいかに大変かを実感しました。今後は、日本食の良さを少しでも多くの人に伝えられるような仕事ができればと考えています。

checktheweb_0260_img_02.jpg

checktheweb_0260_img_03.jpg

checktheweb_0260_img_04.jpg

checktheweb_0260_img_05.jpg

checktheweb_0260_img_06.jpg

checktheweb_0260_img_07.jpg

checktheweb_0260_img_08.jpg

checktheweb_0260_img_09.jpg

ページの先頭へ

受験生の方