ホーム研究活動学生が挑む!研究紹介やすらかな気分になる?醤油づくりにチャレンジ やすらかな気分になる?醤油づくりにチャレンジ 2010年10月15日 平成19年3月卒 調味食品学研究室 黒澤酒造勤務 伊藤未希 醤油の主な原材料は大豆と小麦が一般的です。小麦の主なうまみ成分はグルタミン酸で、醤油のまろやかな味を作り出しています。しかし、グルタミン酸には近年の研究で興奮作用があることが判明しました。もちろん、だからといって自覚できるような反応は身体に現れませんが、密かにストレスをたまりやすくする働きがあるようです。一方、発芽大麦の主なうまみ成分であるギャバ(ガンマーアミノ酪酸)には逆に鎮静作用があります。そこで小麦に代わり、発芽大麦を使って醤油を作り、うまみを比較してみました。もし味に遜色がないのなら、発芽大麦を使った醤油がより市場に受け入れられる可能性が…。 実験では小麦と発芽大麦、大麦の3種類の醤油を醸造、うまみの目安となる食塩や全窒素などの含有量を比べてみました。その結果、含有量には大差はなく、実際に食味すると、それぞれ味に個性はありますが、醤油として通用するものができました。昔から醤油は大豆と小麦が定番、その常識を覆すような実験できて、満足しています。 醤油の醸造は2年生の時実習でもチャレンジ、今回の研究にはその経験が生きた。 高校時代、ポリフェノールを多く含む赤ワインがブームに。そこから酒作りに興味を持ち、ワインが苦手な母親にも飲めるようなワインを造ろうと東京農大へ。 「今回の醤油もそうですが、実際に自分で作ってみてそのたいへんさを実感しました」。食への感謝の念も強くなったという。 日本酒造りは特に奥が深く、味は材料や工程などによって千差万別。就職も酒造りに魅入られて地元長野の酒蔵に。将来の夢は女性でも飲みやすい日本酒を造ること。 大学時代は東京農大の学生寮に。ルームメイトは中国からの留学生で、一緒に暮らして文化の違いを実感。「いい経験になりました」。 サークルは「工場見学サークル」で、食品メーカーを中心にさまざまな工場を見学して回った。 農友会本部に所属、収穫祭で神輿を作ったのが大きな思い出。 短大の2年間は凝縮された2年間で、忙しいけど充実。「もっと勉強したいと思ったら編入という道もあります」。 前のページ 次のページ