子どもたちが望む公園像とは?
2010年10月15日
平成19年3月卒
緑地計画学研究室
安藤植木勤務
小松彩

環境緑地学科では自由参加で月に一度、福島県の山村、鮫川村で里山の環境保全、地域との交流を深める活動をおこなっています。私は入学直後に訪れ、美しい自然と里山の風景にすっかり魅了されました。同村では昨年、放牧地を公園にする計画が持ち上がり、研究室に基本計画策定の依頼がありました。思い出の地でもある鮫川村を卒論のテーマにと思い、基本計画に関わる調査をしました。それは公園の主役となる子どもたちに、どんな公園を望んでいるかリサーチし、計画に反映させること。夏休みに地元の小学生を対象にアンケート調査を実施しました。
その結果、自然を生かした公園を望む声が圧倒的でした。遊具も木製のモノ、地形をいかした“ターザンごっこ”ができる森…。自然豊かな村なので人工的なものを求めるかと思ったのですが…。子どもたちも自然の中で遊ぶのが一番なのですね。今回の調査で設計は利用者のニーズを把握することが大切であることを改めて実感しましたね。
出身高校は神奈川県立氷取沢高校。「海と山に近く、自然に恵まれた環境でした」。棚田が連なり、その周囲には森…。鮫川村はまさに絵に描いたような里山風景が残っていた。「満天の夜空も感動的でした」。
鮫川村での体験で、都会で考える環境保全と現地で考えるとでは全然違うことを実感。
フラワーアレンジメントなどに興味があり、園芸の勉強ができる東京農大に注目。しかし、実際に収穫祭やオープンキャンパスを体験して、大学のスケールの大きさに圧倒された。
モノ作りという視点からはフラワーアレンジメントも公園の同じ。どうせならよりスケールの大きな公園を。
進学の決め手となったのは、実習がたくさん用意されていて、実践的な勉強ができると思ったから。「元々、身体を動かすことが好きなので私にはぴったりかな、と」。
研究室活動では収穫祭の発表が大きな思い出。テーマは世田谷区内の公園の安全性について。
研究室では各地でおこなわれる様々なコンペにも参加、実践を通して学んだ。
就職先は造園、鳶、土木の会社。その中で主に街路や公園の樹木の管理を担当。「会社では私が初の女性です」。
将来は、卒論で実感したことをいかし、「常に利用者の声に耳を傾けながら、利用者優先の公園管理をしたい」。
高校生にエール。「悩んでいてもはじまりません。まずは行動することが大事だと思います。とくに短大の2年間はあっという間。考えることは行動を起こしてからもできますよ」。