ホーム研究活動学生が挑む!研究紹介環境にやさしく効率的な施肥管理法とは 環境にやさしく効率的な施肥管理法とは 2010年10月15日 平成21年3月卒 作物学研究室 (現作物生産学研究室) 作物生産学研究室研究生 鈴木悠太 水稲栽培において窒素施肥は生育、収量、品質に大きな影響を及ぼします。施肥管理には基肥と追肥があり、水稲の生育ステージの幼穂発育期に追肥をおこなうことは、収量を決める大きな要因になるのです。しかし、これらを過剰施用すると品質、収量の低下だけではなく残留窒素による地下水の汚濁など環境破壊を招くため、近年では窒素を低投入する低環境負荷型農業が求められるようになりました。私は土壌の無機化量を測定するとともに、イネの窒素吸収量、生育、収量を調査することで、幼穂発育期におけるもっとも効率的な窒素施肥管理について研究しました。近年、日本の食料自給率はカロリーベースで40%という依然低い水準にあります。そうしたなかで、イネの玄米収量向上に向け、さまざまな研究がおこなわれていますが、今後は収量や品質の向上だけでなく、地域環境も視野に入れなければなりません。そのため施肥(肥料やり)だけでなく、水田内の土壌にもスポットを当て、環境、収量、品質などの視点から効率的な施肥管理についてアプローチする必要があります。この研究では品種ごとに調査をおこなうため、適確な施肥方法がわかり、施肥量や地域環境の負荷削減に貢献できます。夏と秋は植物体のサンプリングなど野外での作業が比較的多く、栽培した古代米やミルキークイーンなどの籾摺り、調整、選別を自分たちでおこなって、収穫祭で販売するなど、作物学研究室はとても活気があるので、充実した毎日を送ることができると思います。 前のページ 次のページ