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学生が挑む!研究紹介

生活のすべてに関わる香りへの興味を膨らませ天然の植物を化粧品成分に利用する研究に挑戦

2016年2月23日

平成27年3月卒 香りの化学研究室 高砂香料工業(株)勤務 石井美波留

生活のすべてに関わる香りへの興味を膨らませ 天然の植物を化粧品成分に利用する研究に挑戦石井美波留香りについて学ぶならこの学科しかない  学校からの帰宅時に玄関前に漂う美味しそうな匂いから、母の作る晩御飯のメニューを当てることが好きでした。母から「鼻がよく利くね」と言われたことがきっかけで香りに興味をもつようになりました。香りは食べ物の美味しさだけでなく、洗剤から香水まで私たちの生活の多くに関わっています。大学で香りの科学を学びたいと考えはじめたころ、食品香粧学科の存在を知りました。オホーツクという初めての土地で生活することに不安もありましたが、新たな知識や経験を得ることへの期待のほうが大きかったです。フランス研修で香りのもつ芸術性に感動  1年次は分析化学、食品化学など化学の基礎的な授業が多く、有機化学など専門性の高い科目も学びました。実験・実習では、キャンパス周辺で採取した植物から香りの成分を抽出して分析する作業を体験。香りの原料に野生植物が用いられることに驚き、その原料たちがごく身近に生息しているこの環境のメリットを実感しました。1年次の12月に参加したフランス研修では、現地の香料会社や歴史ある調香師養成学校などを見学し、香りのもつ芸術性とその奥深さに感動したことを覚えています。  2年次には微生物学や栄養学など食品系の専門科目が多くなりましたが、香りの領域で入学前から楽しみにしていた香料化学を学んだときは心が躍りました。食品分野と香粧分野のそれぞれを関連させながら学んだことで視野を広げることができ、香粧品への探究心は一層高まりました。マツの香りを特産品にする研究への取り組み  香料関連の企業で働きたいという志望が固まってきた3年次始めには、香りの化学研究室に入室しました。研究室にはいくつかの役割分担があり、私は研修旅行の幹事を務めました。旅行プランの立案や旅行会社との打合せを通じて、計画の実行・管理や対外折衝の難しさを学ぶことができました。  卒業研究では「アカエゾマツとカラマツの香気成分に関する研究」というテーマに取り組みました。北海道弟子屈町の硫黄山付近にはアカエゾマツとカラマツの森が広がっています。この森のさわやかな香りには私も以前から魅力を感じていましたが、この香りを特産品にしたいという地域の要望が研究室に寄せられたことが、このテーマを選択するきっかけになりました。香粧品への有効利用をめざし、マツの匂いを特徴づける香りの成分を探索することから着手し、成分の抽出〜分析〜特定という作業を繰り返しおこないました。また対象となった成分に対して抗菌活性などの機能性試験も実施しました。香りの成分を扱う実験はとてもデリケートなため、毎回の実験には高い集中力が必要でした。研究の最終段階で、香りの商品化にはいくつか改善の余地がみつかったため、開発の継続は後輩たちに託すことにしました。  卒業後は念願かない都内の香料会社に就職しました。自分が関わった香料が人々の生活に潤いをもたらすことができるよう、成長していきたいと思います。

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