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学生が挑む!研究紹介

大好きな海の学びをオホーツクに求めここでしかできない水圏の追究に没頭

2016年2月23日

平成27年3月卒 水圏生態学研究室 三国屋建設(株)勤務 井内衛

大好きな海の学びをオホーツクに求め ここでしかできない水圏の追究に没頭井内 衛海に関する知識・技術を生かした職業に就きたい  物心がついたときから海が大好きだった私は、高校から海で学びたいと思い伊豆大島の海洋系高校に進学し、基礎的な海洋生物の知識や潜水など海洋での作業技術を学びました。将来は海で専門技術を生かせる仕事に就くことを希望していましたが、そのためにはさらに科学的な知識を身につける必要があると感じました。広い海をフィールドにして学べる大学を探したところ、アクアバイオ学科では、海だけでなく湖や河川を含む水圏を多角的な視点から研究できることがわかり、第一志望に選択しました。水圏全体からの視点で、あらためて海を考える  入学当初にカリキュラムを見ただけの時点では、1・2年次の科目は私が高校で学んだ内容に近いなと感じました。しかし「アクアバイオ学概論」や「水産と海洋の科学史」「野外調査学」などの講義を学ぶにつれ、大学の授業はより科学的であり、専門的な学問の基礎を身につけているのだと理解できました。  また「アクアバイオ基礎実験」や「オホーツク臨海実習」などの実習授業では、大型哺乳類をはじめ大小の魚介類や微生物にふれ、恵まれた水圏環境に生息する多様な生物の生態を知ることができました。それまで海にばかりこだわっていた自分が、2年間の学びを通じて水圏全体に目を向けるようになり、広い視野からあらためて海について深く考えられるようになりました。能取湖のアマモ場が生物生産に寄与する能力を研究  3年次を前に、海の生物の繁殖メカニズムを深く探ってみたいと考えた私は、海洋の生態系の歴史に関する知識が足りないことに気がつきました。生態系の基点をたどらなければ、生物生息の相互関係を理解できないだろうと考え、研究の場を水圏生態学研究室に求めました。この研究室でおこなう調査は常に初めて経験することばかりでしたが、なかでも氷結した湖面を歩いて横断し、空けた穴から湖中を探索した調査は、オホーツクならではの活動だったと思います。  卒業研究のテーマには「道東の海跡湖・能取湖におけるアマモ場の生産力」を選択。先輩のアマモ場に棲む生物に関する卒業研究で、野外調査のお手伝いをしたことがアマモ場に興味をもったきっかけでした。アマモは遠浅の砂泥海底に自生する海草の一種で、それが群生する一帯をアマモ場といいます。アマモ場は潮流を和らげ外敵からの隠れ場になるため、魚介類の産卵場所または幼稚魚や小型動物が生息するオアシスとなっています。私はオホーツク海に開口した海跡湖である能取湖のアマモ場が、生物の生産にどれほど寄与しているのか、その能力を知りたいと考えました。研究過程では、高校時代に取得した潜水士の資格を生かして、湖中に潜ってサンプル採取も実施。湖と研究室を行き来しながら集めたデータをもとに、アマモ場の生物生産能力を探りました。  卒業後は、海や河川での建設関連事業をはじめ海難救助までも担う企業に就職しました。海の安全に貢献できる仕事をしていくために、未知の部分が多い海について、今後も一層勉学に励んでいきたいと思います。

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