ホーム研究活動学生が挑む!研究紹介小腸上皮細胞におけるボツリヌス毒素の侵入経路を解明 小腸上皮細胞におけるボツリヌス毒素の侵入経路を解明 2012年12月7日 平成24年3月卒 生物化学研究室 味の素ヘルシーサプライ(株)勤務 根岸未貴 食中毒の原因菌であるボツリヌス毒素は、自然界最強の毒素ともいわれる一方で、美容法や医療応用にも使用されるという側面をもっています。しかし、ボツリヌス菌が人体内に侵入していくその詳しい経路は未だ解明されていません。私は、その体内侵入の経路と細胞内の輸送機 序を解明することで、ヒトや家畜の中毒予防の促進をめざす研究をおこないました。まず毒素が小腸から吸収される際に、自ら小腸上皮細胞へ侵入するのか、あるいは細胞が毒素を認識して取り込むのかを調査。続いてさまざまな細胞輸送阻害剤を用いて毒素の細胞内での輸送ルートを検討しました。その結果、ボツリヌス毒素は小腸上皮細胞の活動により能動的に体内に取り込まれていくことが判明。また輸送ルートの大まかな解明にも成功しました。毒素が小腸から侵入する際の経路をより明確化できたこの成果が、ボツリヌス毒素の吸収機構を解明する有力な手がかりとなればうれしいです。 前のページ 次のページ