ホーム研究活動学生が挑む!研究紹介昆布のネバネバ成分の有効活用をめざして 昆布のネバネバ成分の有効活用をめざして 2010年10月15日 平成21年3月卒 食品応用微生物学研究室 (現応用微生物学研究室) 森永乳業(株)勤務 上吉原碧 昆布やワカメなどの褐藻類に含まれるネバネバ成分の1つである多糖のフコイダンは、抗ガン作用や抗腫瘍作用、コレステロール低下作用など、さまざまな機能が知られています。ところが、分解様式や構造などはいまだに解明されていません。もしかしたら、昆布をエサにするウニの腸内には、フコイダンを分解する酵素を有する微生物が存在するのではないかと私は考え、ウニ腸内細菌のスクリーニングを試みました。また、フコイダンは糖鎖の構造によって異なる機能性をもつと考えられているため、今後いっそう詳しいフコイダンの分解機構や構造の解析をおこない、サプリメントや食品添加の応用に役立てたいと考えています。さらに、フコイダン分解方法を確立すれば、年間約10トンが廃棄される昆布の仮根部分を有効活用する道も見えてくるはずです。微生物は強そうに見えて弱かったり、弱そうに見えて強かったりとなかなか奥深く、たいへん魅力的な研究対象なんですよ。 前のページ 次のページ