東京農業大学

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学生が挑む!研究紹介

害虫の繁殖行動から性フェロモンを突き止める

2010年10月15日

平成19年3月卒 熱帯作物保護学研究室 青年海外協力隊 (平成19年6月よりエルサルバドル) 中村傑

ツゲノメイガという蛾を知っていますか。その幼虫は都市緑化植物のクサツゲの葉を食べ、時には枯らしてしまう害虫です。殺虫剤による駆除も可能ですが環境的には、殺虫剤を使わない防除が望まれます。私はツゲノメイガの繁殖行動を調べ、性フェロモンの存在の確認と成分の特定をめざしました。もし性フェロモンが特定できれば性フェロモン剤を作り、防除に役立てられるからです。  まずは飼育と繁殖行動の観察。そして推測通りに性フェロモンの存在を確認しました。フェロモンを出すメスがオスを誘引する際、コーリングと呼ばれる行動を取ります。それが交尾とほぼ同時におこなわれたら放出の証拠ですが、見事にその現象を確認することが出来ました。次にメスからフェロモン腺を取り、抽出物の成分を特定し、合成。オスにその匂いを嗅がせたところ、交尾の時にみせるホバリングという動きをしながら近づいて来るではありませんか。その様子を目の当たりにした時は、感動的ですらありましたね。性フェロモン剤による防除の道筋が見えています。
  • ツゲノメイガを何千尾も飼育。湿度管理などを怠ると、あっとう間に病気が蔓延するので、神経を使ったという。
  • 「研究室で学んださまざまな実験の方法や技術、防除法などは将来、必ず役に立つ」と胸を張る。
  • 海外へは1年時に、マダガスカル島へ。NPOの植林活動に参加。以降、インドネシア、ニジェールなどにも。
  • 「海外へ飛び出すのは特別なことではない。言葉の壁も現地に行けばどうにかなるもの。とりあえず行ってみよう。肌で感じることが大切。もちろん、向き不向きがあると思うが、とにかく行ってみないとわからない」と、後輩の皆さんに熱いエールを送る。
  • 赴任先のエルサルバドルでは現地の昆虫などを調査士、昆虫標本を作って害虫の種類、その天敵、病気の種類などを現地の人たちに教える予定。
  • 「まだまだ未熟。現地でどのくらい役に立てるかわからないが、現地の人たちと仲良くなり、少しでも手助けができたら」と思いを語る。
  • 赴任期間は2年間。帰国後は大学院に進み、もっと研究に打ち込みたい。
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