東京農業大学

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学生が挑む!研究紹介

アフリカの乾燥地帯に希望を与える陸稲品種、ネリカの研究

2010年10月15日

平成19年3月卒 地水工学研究室 東京都中学校技術教諭 峠千鶴

ネリカは10年ほど前、アフリカで開発された陸稲の品種です。収量も多く、病害虫に強く、さらに耐乾性も強いと言われています。現在、JICA(国際協力機構)がアフリカでの普及活動をおこなっていますが、その生態特性は不明でした。そこで東京農大を中心に研究を進めることに。私の研究テーマもその一つで、乾燥地帯のアフリカでは重要な耐乾性について実験をしました。ネリカを研究する5人のグループで3種類のネリカを土質や土壌水分量を変えて種子からポットで栽培。また比較のため日本の陸稲も加え、計240ポットを育てました。6月から約半年間、一日置きにすべてのポットの土壌水分を測定しながら観察しました。そして最後に背丈や茎の数、収量などを測定。結果は日本の陸稲品種よりも耐乾性に優れていることがわかりました。生態解明にはまださまざまな実験が必要ですが、一つの指標として耐乾性が実証されたことには満足しています。  実験終了後の12月、ジプチの砂漠緑化事業に短期派遣ボランティアとして参加し、初めてアフリカに行きましたが、日本とは全く違う風土に厳しさを実感。早くこの地にネリカが普及することを願わずにいられませんでした。
  • ネリカは長粒米で、味も同じ長粒米のタイ米に近い。アフリカの主食である雑穀類よりも栄養価は高く、栄養失調の軽減も期待できる。また現金収入の糧にもなる。今回の実験で耐乾性が証明されたことから、アフリカの半乾燥地域でも栽培できる可能性が高まった。

  • 中学生の頃から自然や環境の学びたいと思うようになった。

  • 農大での4年間は農家での実習をはじめ、他では経験できないことができた。3年生の夏には1ヶ月間、タイに農業体験留学も経験。タイでもジプチでも、貧しくても“人の優しさ”を感じた。

  • サークルは「樺の木会」。剣岳など2800M級の山にも登った。

  • 東京のコミュニティー放送局「エフエム世田谷」(83・4メガ・ヘルツ)で「農といえるニッポン」に出演。ネリカについての研究をリスナーに向け発表したことも。

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