ホーム研究活動学生が挑む!研究紹介オオウズラタケのリパーゼをダイエット製品に応用できるか オオウズラタケのリパーゼをダイエット製品に応用できるか 2010年10月15日 平成19年3月卒 林産化学研究室 興和創薬勤務 近藤幸 オオウズラタケは木材を腐らせてしまう厄介な木材腐朽菌の一つですが、研究室の一つ上の先輩の研究で、不思議なことに脂肪を分解する酵素、リパーゼを持っていることを突き止めました。他のきのこでは例はありません。「脂肪を分解…」で、ピンと来た人もいるかもしれませんが(笑)、研究室ではオオウズラタケのリパーゼが健康、ダイエット製品として利用できるか、検討することにしました。 私が取り組んだのはリパーゼを分離し、活性を測定することです。オオウズラタケの持つリパーゼが最も活性化するpH度や温度を調べるわけです。実験は脂肪酸の構成が違うパーム油とオリーブ油で比較しました。 実験を始めて2ヶ月ほどは、なかなか活性が測定できず、途中で投げ出したくなったこともありましたが、試薬を変えることでクリア。あのときは本当にうれしかった、というか、ホッとしましたね。実験結果は正直なもの。そこが実験の面白さでもありますよね。 今後、後輩たちがさらにオオウズラタケのリパーゼの特性を調べていきます。すごい働きをするリパーゼの可能性もあるわけで、私自身も楽しみにしています。 東京農大について「普通の大学とはちょっと違うような…(笑)。とにかくユニークな授業が多かった」 高校時代から生物や化学、とくに実験が好きだった。森林総合科学科に進んだのは、世界中で進行する森林伐採など、地球の環境問題に興味があったから 研究室では“指示待ち”ではなく、自分から動かないと進まない。スケジュール管理の大切さも知った。 2年生のとき「キノコ学」の授業でキノコ類の持つ不思議な生態や力に興味を持った。 奥多摩演習林で約30度の勾配の斜面で、4日間にわたって伐採作業をしたのが大きな思い出。 東京農大生について一言「和気あいあい」 サークルは「ユースホステル旅の会」。全国のユースホステルに一泊しに行った。 就職先ではMRとして働いている。大学で得た化学の知識などもいかせる仕事。 前のページ 次のページ