東京農業大学

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学生が挑む!研究紹介

環境問題にも応用可能な微生物の魅力を探求研究活動から就活まで貫いた“発酵食品”への熱意

2016年6月28日

平成28年3月卒 調味食品科学研究室 (株)ピエトロ勤務 渡邉真由

国内で唯一の醸造科学科で発酵食品について学びたい

 東京農大の醸造科学科を知ったきっかけは、私の高校に指定校推薦枠があったことでした。食品、とくにチーズや納豆などの発酵食品が好きだったことから、同科に興味をもち、オープンキャンパスに足を運びました。そこでの模擬授業がとても面白かったこと、醸造に特化している学科は全国でもここだけという存在感、そして3科目の入試科目であったことから、一般入試を受験し合格しました。

座学と実験で醸造学の基礎となる化学の知識を定着

 醸造科学科は酒や醤油などの蔵元の後継者が多く在学する印象がありましたが、私のようにサラリーマン家庭の子女がむしろ多く入学しています。低学年次では、醸造科学の基礎となる有機化学、生化学、微生物学など、とにかく化学系の授業をたくさん学びます。基礎化学から微生物の働きを化学式で解くなど専門性の高い授業まであります。座学で学んだことを検証する実験科目も同時に行い、知識が定着していきました。微生物学実験ではヨーグルトなどを培養して顕微鏡で観察。そこには乳酸菌(微生物)が生息しているという、いままでに見たことのない世界が広がっていました。高学年次はさらに微生物の機能について深く学びます。水を浄化する微生物など、その機能は食品だけでなく環境などにも応用できる大きな可能性を秘めていることを知りました。

先生や仲間のアドバイスを受け微生物酵素の知識を深める

 研究室選びでは、高校の時から興味の尽きなかった発酵食品の美味しさについてさらに深く学びたいと思いました。そこで発酵調味料を研究題材に微生物の持つ酵素や機能などについて探求する調味食品科学研究室に所属することに決めました。卒業研究では、大学院生7人と同じスペースで同期14人がそれぞれ先生から提案された課題を研究します。コウジ菌の遺伝子解析といったいわゆる醸造科学的な研究に取り組む同期が多い中、私の課題はコウジ菌が食材の呈味や機能を引き出すしくみを知ることで、いろいろなコウジ菌のプロテアーゼやアミラーゼなどの酵素の性質を比較したり、コウジ菌酵素と食材の持つ酵素との効果的な組み合わせを見つけることをテーマとしました。思うような結果が出なかったりと研究がなかなか進まないこともありましたが、壁にぶつかる度に先生に相談すると、いつも親身になってアドバイスしてくださいました。研究の進捗状況発表は、少人数で毎月1回と研究室員全員の前で3か月に1回行われます。その際は担当教員以外に大学院生やメンバーからも新たな観点でアドバイスをいただきました。実験や発表会を通して、物事を論理的に考えたり自分の考えを伝える力を養えてよかったと思います。いくつかの意外な発見もあり、また新たな研究テーマとして後輩に繋がっていくことが楽しみです。
 就活は食品関係にしぼっておこない、ドレッシングで有名な(株)ピエトロの総合職として採用されました。大学時代の経験が活かせる開発に携わりたいと思っています。

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