廃棄物を発酵させて、水素エネルギーを製造

2010年10月15日

平成22年3月卒醸造環境科学研究室（財）日本食品分析センター勤務谷口美帆

畜産廃棄物や食品廃棄物などの有効活用は、地球環境を守っていく上で取り組まなければいけない喫緊の課題です。このような廃棄物系バイオマスを微生物によって発酵させ、地球環境に優しい水素エネルギーを製造しよう、というのが私の研究テーマです。近年、地球温暖化や化石資源の枯渇が深刻な問題となっています。燃焼しても水しか出さない水素エネルギーは、化石資源のように枯渇する心配はありません。私は、安定的な水素製造につながる技術の構築に向けた研究をおこないました。醸造科学科は、発酵を通してさまざまな世界を知ることができる学科です。発酵させることで、ある地域では食べ物を、またある地域ではエネルギーを、さまざまな条件のもとでいろいろなものを生み出してきました。３年次の「酒類生産学実験」では、清酒、焼酎、ビール、ワインなどを自分たちで造ります。発酵は、知れば知るほど、身近で奥の深いものであることに気付くはずです。