多彩な可能性が広がる茶を用いた屋上緑化

2010年10月15日

平成20年3月卒作物生産学研究室ザ・シーズン浜松勤務平松結

「お茶の木」チャの種子は、現在あまり利用価値が認められていません。「誰もやったことのない研究がしたい」と考えていた時に出会ったのが、「茶の木で屋上緑化」というアイデア。CO2削減や省エネルギー、そして「癒し」の一形態として注目されている屋上緑化をチャで実現できれば、日本の文化であり日頃気軽に接している「茶」を手軽に知る機会となり、食育や園芸療法にも活用できます。しかし、チャの深く根を張る生理的特性は、地下部を深く取れない屋上での栽培には不向きです。そこで、種子から生育させたチャの個体は形質にばらつきがでる点に着目し、屋上緑化に適した個体を選抜する試験を行いました。1年間の試験では、地上部の葉の面積と地下部の発達は強く相関する結果となりましたが、中には小さな地下部で十分な葉の面積を持った個体もありました。今後、屋上緑化に適した個体を選抜する糸口を見出せたと思います。