これぞ東京農大流!高大連携「オホーツク学」開催 ~3泊4日のプロジェクト型研修で漁業と自らの生活の繫がりを主体的に学習~
2024年9月27日
教育・学術
東京農業大学は7月31日(水)からの4日間、北海道オホーツクキャンパスに関東と関西の5校からおよそ60名の高校生を迎え、東京農業大学流の高大連携教育プログラム「オホーツク学」を開催しました。
参加校 ※順不同
大阪高等学校 / 大阪国際中学校高等学校 / ヴェリタス星城学園高等学校 / 羽衣学園中学校・高等学校 / 湘南白百合学園中学・高等学校
今年の「オホーツク学」は「サケになって地域を見よう!!」をテーマに開催し、基礎プログラム(座学・事前学習)とフィールドワークプログラムで構成。
学習プログラム
- 基礎プログラム(座学、事前学習)
【目標】漁業における基礎知識や課題を学ぶ、水産資源の生産から消費までの流れに関する基礎知識を身に着ける
①ガイダンス、②水域教育シンポジウム、③グループワーク、④発表会 - フィールドワークプログラム
【目標】現地での体験実習や視察を通じて、魚と人間との関わり(生産から消費まで)を理解し、持続可能な地域社会のあり方を学ぶ
①合同事前学習会、②フィールドワーク、③合同振り返り会
8月1日(木)に実施されたフィールドワークでは、午前中にオホーツク臨海研究センターでサケの生態を学習した後、解剖学的な実習を実施しました。午後は女満別湖畔で近年ネイチャーツーリズムのツールとして注目されているSUP(Stand Up Paddle)を体験してサケの生息環境を観察しました。
プロジェクト型研修「オホーツク学」は、東京農業大学が北海道オホーツクキャンパスで2010年代より形式やテーマを変えながら実施してきた“高大連携”教育プログラムで、今回は大阪府、神奈川県5校から中学生や高校生が参加。東京農業大学だから実現できるフィールドワークを提供し、サケを通じて漁業と自らのつながりを学んでいただきました。
プログラムに参加した生徒たちの様子は動画でご確認いただけます。目を輝かせて主体的に探究学習を行う、生徒たちの姿をご覧ください。
東京農業大学は今後も、探究学習における「主体的な学び」、「対話的な学び」、「深い学び」を支援し、高校の生徒たちの幅広い教養と問題解決能力の向上に貢献していきます。
ますます重視される高大連携と「オホーツク学」
中高一貫教育や現行学習指導要領の実施等により高等学校の多様化と選択の幅が拡大しており、特定の分野に高い能力と強い意欲を持ち大学レベルの教育研究に触れる機会を希望する生徒が増加する中、高等学校と大学双方が有機的に連携した教育の在り方を検討していく必要があるとされています。
東京農業大学はこれまで北海道オホーツクキャンパスにおいて網走市の農業、野生動物、海洋水産などを題材にフィールドワークを通じた高大連携教育プログラムを展開しており、高校生の探究学習における主体的かつ対話的かつ深い学びを支援しています。
網走市とサケ
北海道網走市では「ほたてがい漁業」や「さけ定置漁業」が盛んで、ホタテガイと並んでサケは網走市の経済を支える重要な水産資源となっています。
サケは毎年、秋に産卵池に回帰した親魚により人工授精を行い、翌春に稚魚を放流。その後また回帰した成魚を漁獲する資源造成の循環が確立されています。
しかし近年、サケの来遊数が急減。8,000万尾のサケは2,000万尾を下回るまで減少してしまっています。(※イメージは産卵のために遡上したサケ)
オホーツク臨海研究センターでの東京農業大学の取り組み
オホーツク臨海研究センターは豊かな海として知られるオホーツク海に開口し、オホーツクの沿岸水で満たされる能取湖の湖畔にあります。当センターは北海道オホーツクキャンパスから車で約20分の距離にあり、海洋水産学科をはじめとする生物産業学部の実験・実習に利用されています。オホーツク臨海研究センターのまわりには、能取湖はもとより、サロマ湖、藻琴湖、濤沸湖といった環境の異なる海跡湖が近隣にあります。さらに北海道沿岸オホーツク海では、春から秋にかけては宗谷暖流、秋から春にかけては東樺太海流(オホーツク海固有の寒流)が勢力を強めます。能取湖は、季節によりこれら性質の異なる水塊が流入し、冬季には結氷するという、さまざまな海洋環境が展開される、世界的にも貴重な海域です。このような立地条件を背景に、基本的な実験設備、飼育水槽、調査艇等を備えるオホーツク臨海研究センターは、北海道オホーツク沿岸域における、海洋・水産に関わる教育・研究の拠点となっています。