ホーム研究活動学生が挑む!研究紹介里山の環境は、人と昆虫の接点 里山の環境は、人と昆虫の接点 2010年10月15日 平成20年3月卒 昆虫学研究室 東京農大大学院農学研究科農学専攻進学 渡部美佳 人間の手が入った身近な自然環境「里山」は、開発や放棄の結果、各地でその環境を変化させています。その影響を受けた生物の一例がギフチョウやヒメギフチョウです。ギフチョウはチョウの中では珍しく、本来の食草以外の植物でも成長し、餌の種類により成育速度や繭の大きさが変わることが知られています。しかしヒメギフチョウについての研究はほとんどありませんでした。そこで私は代用食によるヒメギフチョウの成育を研究テーマに選びました。毎日チョウの世話をして得た数多くのデータのうち、論文に使えるものはごく一部。ひとつの実験を行うごとに、新たな疑問が生じることを実感しました。多様な生物種が生息する環境として里山を保全していく時に、特定の生物についての知見が大きな手がかりを与えてくれます。ヒメギフチョウの飼育・保全に関する研究が、有用な情報と「簡単なやりかたで自然保護の一端を担う」方法論の提示に少しでも役立てば幸いです。 前のページ 次のページ