東京農業大学

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教員コラム

食料自給率向上への提言

2010年10月18日

国際食料情報学部国際農業開発学科 教授 板垣 啓四郎

本学では、総合研究所プロジェクト研究の一環として、昨年7月から「我が国の食料自給率向上への提言」と題した研究に着手している。テーマが壮大なことから今後とも継続して実施していく予定である。広く知られているように、我が国の食料自給率はオリジナルカロリーベースで40%でしかなく、主要先進国のなかでは際立って低い。食料自給率の向上は、我が国の農政上最も重要な政策課題の一つであり、国民の関心もきわめて高い。本学に対しても自給率向上への知的貢献および人材育成という側面からこの課題に対する期待は大きい。
本研究は、食料自給率の向上を食料安全保障に直結した「自給力を高める」という文脈で研究を進めるスタンスをとっている。自給力を高めるために、農業生産資源(農地、水、森林、草地、水産、バイオマスなど)の保全・管理およびその高度利活用、環境と共生する農業生産の追求(環境保全型・資源循環型農業)、とくに自給率の低い土地利用型作物に対する増収技術の向上、消費者のニーズに的確に対応した安全で安心できる食料・農産物の供給と流通システムの改善、消費者の「食」に対する意識の変革(いわゆる食育活動)など、フード・システムに沿って多面的にアプローチすることを目指している。また農林水産省の関連部局やフード・システムに関係したステークホルダ−とも緊密に連絡をとり、本学がこれまで培ってきた知的蓄積、本学の卒業生や学生からの多様な意見や提案を存分に活用しながら、この研究課題に対して全学的に取り組んでいきたい。

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