東京農業大学

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教員コラム

サイエンス小話最終回・御礼

2011年7月15日

地球も生物も様々な物質の集合体であり、我々の生命や生活も無限ともいえる膨大な数の物質により成り立っています。それら多種多様な物質の中には、物質名ばかりが独り歩きして、その実体がほとんど知られていない物質や、身近にありすぎて、一般にはその性質が意外と知られていない物質なども多数存在しています。そこで、我々の身の回りに存在するそんな物質を取り上げ、その紹介と解説をしてみようと思い「身近な物質シリーズ」のタイトルで、思いつくままに、様々な物質を取り上げ連載してきました。広く学生や一般の方を読者対象としましたので、化学的解説に偏らないよう、専門的すぎる内容にならないよう、あくまでも、楽しさと解り易さをコンセプトとしました。また、誰にでも、短い時間で気楽に読んでいただけるよう字数も制限し、一つの物質を、科学的一面のみならず、歴史や文化、生活や社会・経済など様々な視点から捉え面白い話題を提供できるよう努力してきたつもりです。そして、読み終わった後、一つでも"へぇ〜""ほぉ〜""なるほど"などと感じてもらえるよう、その内容に配慮してきたつもりです。とはいえ、対象が化学物質である上、元々文才があるわけではありませんから、当初の意図が文章として読者の皆さんに伝わったかどうかは解りませんが…。
 改めて振り返ってみると、この「身近な物質シリーズ」の1回目は本誌の第15号(2004年7+8月号)でしたので、今回の第84号(7+8月号)で、丁度丸7年となります。生来の面倒くさがり屋の私が、よく7年間も書き続けてこれたと思っています。これもひとえに、時々声を掛けていただいた読者の皆様と広報部の皆様のお陰と心から感謝している次第です。4月号では、次号も乳酸につづくとしておきながら、東日本大震災の対応等で原稿が滞ってしまいました。丸7年、ラッキーセブンでひと区切りには丁度いい時期と思いますし、そろそろネタも尽きてきました。ひとまず充電期間をいただき、機会をみて再スタートできればと思っております。
 なお、これまでの連載をまとめ、「サイエンス小話〜身近な物質から好奇心を育てる本〜」として本学出版会より出版いたしました。機会がありましたら是非ご一読いただければ幸いです。

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