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学生が挑む!研究紹介

よりよい景観づくりのための技術とセンスを磨き卒業研究で母校の将来の景観をデジタルに提案

2016年2月22日

平成27年3月卒 景観材料研究室 東京地下鉄(株)勤務 大輪叡史

よりよい景観づくりのための技術とセンスを磨き 卒業研究で母校の将来の景観をデジタルに提案大輪叡史景観づくりや環境保護に向き合う学びがしたい  子供の頃から、自分が住む街の景観が将来どう変わるのか空想するのが好きでした。進学に際し、大学で都市計画や街の再生のための技術とセンスを磨きたいと考えた私は、ある本を読んで、100年近く前に明治神宮の森の造園を指揮した人が東京農大の造園科学科の創設者だったことを知り、この学科に興味をもちました。都市計画に植物を用いてアプローチしたり、環境保護、景観保全にも向き合えるこの学科で学ぶことを決め、一般入試で受験しました。葉を見ただけで植物の品種を判別する実習  1年次の授業で印象深かったのは花・緑演習です。世田谷と厚木キャンパスに生える植物の葉の特徴を品種ごとに学ぶこの実習では、受講後に100種の葉の品種を暗記解答する“葉っぱテスト”があり、200近くの葉の特徴を必死で覚えました。2年次の測量実習では、測量技術の昔と今の両方を学ぶことで、都市計画における測量の本来の役割をより深く理解できました。また近代造園史では、昔はどのように公園を造成したかを学び、歴史を現代に生かすという視点から、景観が街の文化形成に与える影響の大きさを再認識しました。 キャンパスの将来の景観を表現した卒業研究  建物や公園を建設する際に最初に必要になるのが測量である点を重視した私は、景観づくりのための材料と計測技術を追究している景観材料研究室に入室しました。3年次の9月の研究室合宿では、岡山県内のあちこちの街を訪ねて景観や都市環境を視察。そのときの調査報告を3年生が協力しあってまとめ上げ、収穫祭の文化学術展で発表しました。4年次には三重県伊勢市を訪ね、古い町並や伊勢神宮の杜を巡りました。  卒業研究では、自分が学ぶ世田谷キャンパスの景観をテーマにしました。世田谷キャンパスでは、近い将来、その中心ゾーンに研究機能を統合した新研究棟の建設が予定されています。私はその新研究棟が施工された後、キャンパスの景観はどうなるのか、その予測図を描き、拡張現実感(AR)という技術を用いて最新の形で表現するという研究に取り組みました。ARとはデジタル機能を駆使して景観画像に情報を付加させる技術のことで、最近はゲーム製作や観光振興のプレゼンにも使われはじめた技術です。  まず完成予想図をもとにした新研究棟の3DCG画像を作成。そして建設予定地であるユリノキ広場の前に立ち、AR用のアプリを起動したスマートフォンを広場に向かってかざすと、キャンパスの現在の風景が映っているスマホ画面にリアルタイムで新研究棟の3DCG画像が浮かび上がるというソフトを制作しました。画面を見れば、そこに将来のキャンパスの景観が描き出されるというしかけです。3DCG画像の作成やARでの表示機能など、試行錯誤を重ねた作業もいくつかありましたが、母校の将来図の一端を提案することができたと思います。  卒業後は東京メトロの職員になりました。都内の鉄道は2020年のオリンピック開催に向けて、海外からの利用者増加も見込まれています。今後は運行管理する立場から、都市インフラの一つである鉄道を支えていきたいと思います。

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