東京農業大学

メニュー

学生が挑む!研究紹介

味噌や醤油、お酒を自分で醸造する実習を通じて遺伝子を変異させた酵母から日本酒づくりに挑戦

2016年2月22日

平成27年3月卒 醸造微生物学研究室 (株)サンクゼール勤務 桑子崇之

味噌や醤油、お酒を自分で醸造する実習を通じて 遺伝子を変異させた酵母から日本酒づくりに挑戦桑子崇之微生物の存在が食品づくりに興味をもつきっかけに  高校では生物の授業が好きでした。生物学系の学科に進学しようと考え調べているときに、TVや書籍を通じて東京農大に醸造科学科があることを知りました。肉眼では見えない小さな微生物がお酒や味噌、醤油など私たちの生活に欠かせない食品を作っていることにとても興味をもった私は、この分野ならきっと楽しく取り組め、将来の職業につながる勉強ができるのではないかと期待して、センター試験利用入試と一般入試の両方に出願しました。発酵の原理や製造理論を学び味噌やワインの醸造を体験  1年次は化学を中心とした科目を徹底して学びますが、最初の半年間に基礎化学のレベルから指導いただく授業のおかげで、一つ一つの講義を理解していくことができました。また微生物学実験では、発酵のもととなる菌の育て方や分離の仕方を学び、酵母や乳酸菌、カビなどの微生物のあつかいに慣れていきました。2年次の発酵食品学では、発酵の原理や発酵食品の製造法を学びながら、どんな菌がどのように製造に作用しているのかを探りました。その後3年次にかけて微生物を用いた実験・実習型の授業が増え、実際に味噌や醤油を作ったり、日本酒や焼酎、ワイン、ビールなどのお酒造りも経験し、醸造の難しさや楽しさにふれることができました。2週間の特別実習で昔ながらの日本酒造りの技を学ぶ  醸造科学科では、3年次の後半から研究室に入ります。3年次に清酒学の講義を学び、日本酒を自分で作ってみたいと考えていた私は、世界に類を見ない清酒酵母の研究をおこなっている醸造微生物学研究室を選択しました。その一方で醸造科学特別実習に参加し、昔ながらの製造法で清酒をつくる神奈川県の酒造会社に2週間泊り込んで実習をしました。毎朝5時に樽の中に仕込んだもろみの撹拌から始まり、夕方5時まで酒造りの現場でプロの技にふれた日々は、その後の研究室活動はもちろんのこと、今後の人生にとってもかけがえのない貴重な経験になったと思います。  就職活動のかたわら、3年次の3月に卒業研究のテーマを決定。研究活動が本格化したのは、4年次の4月からでした。私のテーマは「醸造特性が改変した清酒酵母の開発」。一般的な酒造用の酵母に紫外線を照射して、遺伝子を変異させた酵母を取得した先輩の研究を引き継ぎ、その酵母で仕込んだ日本酒の成分を分析して、商品化できそうな日本酒を造るという研究です。お酒の仕込みは、他の菌が混入しないよう神経を使って作業しなくてはならず、非常に大変です。定期的に成分分析もしなくてはなりません。ですから仕込んだ日本酒が完成したときの感動は、言葉になりませんでした。私が研究した酵母が将来実用化され、広く飲まれることを想像しながら毎日の研究に取り組みました。  卒業後は、ジャムやワインなどの製造・販売をおこなう食品会社に就職しました。会社では国内のおいしい食品を集めたセレクトショップも運営しており、私は支店の店長になる勉強をしながら、その支店の一員として勤務しております。将来はバイヤーとして全国を巡り、自身の手でおいしいものを多くのお客様に楽しんでもらいたいと思っています。

checktheweb_0078_img_02.jpg

checktheweb_0078_img_03.jpg

checktheweb_0078_img_04.jpg

checktheweb_0078_img_05.jpg

checktheweb_0078_img_06.jpg

ページの先頭へ

受験生の方