東京農業大学

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学生が挑む!研究紹介

お茶畑への堆肥連年施用効果

2010年10月15日

平成19年3月卒 作物学研究室 アルテア技研勤務 増田陽二郎

お茶の栽培において、化学肥料の過剰施肥による環境負荷、土壌の劣化等が問題となっています。お茶の旨味成分には窒素が重要ですから、化学肥料を大量に施用することは仕方ないのかもしれませんが、化学肥料は降雨などで流れ出し、地下水の水質悪化に直結します。作物学研究室では5年前からキャンパス内で調製された畜糞主体の堆肥を連年施用し、化学肥料主体の栽培法と比較する実験をおこなっています。堆肥を主体とした栽培のデータは少なく、農家でも代替肥料として切り替えに踏み切れない要因ですが、もし、生育・収量に大差がないことが実証されれば、堆肥の有効利用が増えることになるかもしれません。新芽中の窒素成分と収量については、私の実験データも、過去に先輩たちがおこなったデータも、2つの栽培法の間で大きな差はありません。環境面を調べる土壌測定では、降雨の後に茶園から流れ出る土壌溶液の窒素濃度は堆肥主体の茶園で低くなりました。 私の実験から新たに、土壌の窒素量も測定しましたが、上層ではほぼ同じ、下層では堆肥主体の区が上回るという結果に。これは雨でも流されずに土壌が窒素を保持していることを示しています。さらに、堆肥の表面施用によって、土壌の深い部分までやわらかくなり、根の成長も旺盛で、養分吸収が促進され、環境に優しいことがわかってきました。今後、後輩たちによって、より信頼性の高い実験データが蓄積されていくことを期待しています。
  • 大学から自転車で10分の距離にアパート暮らし。「厚木は学生の町、学生向きの店も多く、過ごしやすかった。厚木ライフには自転車は必需品ですよ」

  • たぶん、キャンパス内にお茶畑がある大学は他にはないんじゃないかな。そこも大きな魅力でした。お茶畑に使った堆肥も厚木キャンパスで作られたものなんですよ。

  • お茶は茶畑のさまざまな要因で成分で品質に違いが現れます。お茶は、学べば学ぶほど奥が深い。

  • 穴を掘り、根を採取して太さ別に分類。たいへんな作業だったが、膨大な根のサンプルがとれ、後輩たちへの置き土産になりました。

  • サークルは「自然教育研究会 ネーチャーズクラブ」。3年生のときは代表を務めていた。地域の子どもたちと野外遊びなどをt一緒に楽しむ。「自然、子ども両方好きだったので、僕にはぴったりのサークルでした」

  • 就職活動では、いろんな会社の説明会に出席。「自分の目で、耳で確かめて、納得してから決めようと思いましたので」

  • 4月に現在の会社に内定。研究で使う分析機器の販売会社。第一志望の会社だった。「小さな会社の方が自分の声を上にも届けやすいし、反映できる。大企業の歯車よりもやりがいを感じ…」

  • 現在は営業として外回りが中心の日々。「大学で学んだ知識が生かせる上、研究者と会えるのも魅力です」

  • 実はお茶よりも紅茶好き。「ダージリンのサングマ農園の紅茶がお気に入り」とか。

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