東京農業大学

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東京農業大学の研究活動

東京農大の国際研究活動「ジブチプロジェクト」

不可能と言われていた 乾燥地に農牧業を実現する研究

島田 沢彦 教授
地域環境科学部 生産環境工学科

希少な雨が海へ流れてしまう

 東アフリカのジブチ共和国は非常に過酷な気象環境で農作は不可能と言われていました。年間降雨量は日本の約1/10の150mm。国のほとんどが乾燥地で、雨が降っても浸透せず、すべて海へ流れ出てしまいます。

 東京農大はジブチ共和国からの要請で、約25年まえから乾燥地で農牧業(アグロパストラル)を実現する研究に挑んできました。目標はジブチで暮らす人たちがこの地でより豊かな生活を実現すること。沙漠緑化だけにとどまることなく、付加価値の高い農作物が収穫できて、収入を得ることができたり、足りなかった栄養素が摂取できたり。また、ジブチの人たちが自らの手で農牧業を持続発展できるような技術や仕組みを、東京農大の全学部のあらゆる知見とノウハウを注いで提供してきました。

アルタ地区実証試験農場における事前聴き取り調査.jpg

ディキル篤農家農園の作物生育モニタリングのためのマルチスペクトルセンサ搭載ドローン空撮.JPG

実現に向けて

 2018 年、本研究はSATREPSの採択で大きな山場を迎えました。島田沢彦教授(地域環境科学部 生産環境工学科)をリーダーに、乾燥地に最適な農牧業(アグロパストラル)をいよいよ確立させます。これまでの研究成果に加えて、今回、ジブチ全域の地下水脈を明らかにし、水の活用管理方法の確立や、農地を選定して実験農場を開発。
 また、都市から出るゴミや家畜の糞を利用して植物栽培ができるような、人にとっても家畜にとっても有用な循環型森林農業(アグロフォレストリー)を開発します。このモデルが確立されれば、同じ環境の近隣諸国へ展開することも十分可能です。最終目標は、ジブチの人たちが自らの手で、生活をより豊かにすること。このように東京農大の研究はこれまで考えられなかったことを実現可能にし、世界の人々の幸せをつくっているのです。

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