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東京農業大学ガストロノミー:前田祐二シェフ×東京農大生協(世田谷キャンパス) 特別コラボ企画「ヴィーガン」メニュー第2弾

2023年7月13日

お知らせ 教育・学術

東京農業大学では、「ガストロノミー」の観点から、「食」の教育・研究を進めています。「ガストロノミー」とは、料理とその背景にある歴史、文化、食材や調理・加工など、食を包括的に分析・考察する学問体系です。

世田谷キャンパスでは、ガストロノミーの一貫として「多様な食文化の発信」に力を入れています。食事や調理の面では、多数のシェフに客員研究員としてご協力を頂いておりますが、今回イタリアンレストラン「RISTORANTE OZIO(リストランテ オッツィオ)」の前田祐二シェフと東京農大生協のコラボ企画として、「ヴィーガン(動物由来の食材不使用)」メニューを出させて頂きます。企画には、本学・栄養科学科の秋山聡子准教授がアドバイザーとして参加しております。

2023年1月に第1弾として「チリビーンズとタコス」を出させて頂きましたが、今回第2弾として、2023年7月17日(月)から20日(木)まで世田谷キャンパスのサイエンスポート1階にて、「大豆ミートのキーマカレー」を提供させて頂きます(テイクアウト容器での販売となります。数量限定のため、状況によっては当日販売が終了することがございます)。

また、今回は農大生協・世田谷キャンパス書籍部とのタイアップで、シェフ監修メニューが掲載されている書籍、ヴィーガンに関する書籍を集めた特別コーナーもございます。皆様に多様な食文化の一端を味わって頂くとともに、知見を深めて頂ければと思います。

【アドバイザー】

栄養科学科 秋山聡子准教授 研究室

研究実績(日本語)
研究実績(English)

ヴィーガンとは?

ベジタリアン・ヴィーガンには、複数の類型がみられる。ベジタリアンについては、赤身・白身肉や魚介類は食べないが、乳製品を食べるのが「ラクト」ベジタリアン、卵を食べるのが「オボ」ベジタリアン、どちらも食べるのが「ラクト・オボ」ベジタリアン、に分類される。ヴィーガンは赤身・白身肉や魚介類はもとより、乳製品・卵を食べず、毛皮など動物由来のものも非着用となっている1)

日本ベジタリアン協会は、ヴィーガンを「動物に苦みを与えることへの嫌悪から、動物の肉と卵・乳製品・蜂蜜、動物由来のゼラチン・羊毛脂等を食べず、また動物製品を身につけない人たち」2)と定義しており、食に限らず動物製品全般を消費しないところがベジタリアンとは異なる。

ヴィーガンの増加と日本の状況

ベジタリアン・ヴィーガンは、仏教やヒンドゥー教など宗教の信条、動物愛護、環境保護など、多様な背景・目的を有している。主要100カ国・地域におけるベジタリアン等の人口は、欧米諸国を中心に増加傾向にあり、2018年には約6.3億人に達している。訪日ベジタリアン等の旅行者総数は、2018年に約167万人で、訪日旅行者数全体(約3,119万人)の約5%を占める。観光庁が2020年にベジタリアン・ヴィーガンを対象にアンケート調査を実施したが、海外旅行で飲食店等を選定する際「ベジタリアン等の対応店でなければ入店しない」と回答したヴィーガンは約5割を超えている3)

 日本国内の飲食業ではこうした状況に対応する動きがみられる。帝国ホテルでは、2022年に「ヴィーガンガストロノミー」として、100%植物由来の原材料で調理するメニューを拡充している。「誰ひとり取り残さない」というSDGsの観点から、あらゆる人が利用しやすい食の環境を提供する「食の多様性」を重点課題としている4)

東京農業大学ガストロノミーとヴィーガン

東京農業大学では、2022年にアジア、アフリカ、南米地域など38カ国から留学生を受け入れており、学部106名、大学院83名の合計189名の留学生が在籍している。こうした多様な国・地域の宗教や信条をもった学生たちが食の選択肢を広げられるよう、世田谷キャンパスではヴィーガンメニューを提供している。東京農業大学ガストロノミーの取組みの一つとなるが、これまでヴィーガンを知らなかった学生が初めて触れることで、多様な食文化や食に関連する宗教や動物愛護、環境等について理解を深める契機になって欲しいと考える。


1)観光庁参事官(2020)「飲食事業者等におけるベジタリアン・ヴィーガン対応ガイド」令和2年4月版による。
2)日本ベジタリアン協会「ベジタリアンとは?」http://www.jpvs.org/menu-info/ (2023年7月11日閲覧)による。
3)観光庁参事官・前掲資料による。
4)帝国ホテル(2022)「NEWS RELEASE『おいしく社会を変える』すべてのお客さまに食の選択肢を。帝国ホテル ヴィーガンガストロノミー」令和4年9月16日による。

(産学官・地域連携センター 副センター長 野口 敬夫)

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