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ニュースリリース

鉄が欠乏する不良土壌でも育つオオムギの変異を解明 - 農芸化学科 樋口恭子教授らの研究成果(光化学系)がPlants誌に掲載 -

2021年2月1日

教育・学術

鉄が欠乏する不良土壌でも育つオオムギの変異を解明

 樋口恭子教授(農芸化学科)らのグループがオオムギの品種の一部が鉄欠乏症に非常に強いことに着目し、世界中のオオムギ約20品種の鉄含量と光合成速度を解析、中央・西アジアなどのアルカリ土壌地帯(補足資料図3)で栽培されている品種では、少ない鉄を利用して効率よく光合成が行えるよう遺伝子が変異していることを突き止めました(Plants誌で1月25日公開)。

 樋口教授らの解析で、光化学系の反応中心に光のエネルギーを渡すLhcb1の遺伝子がイネゲノムには3個しかないのにオオムギゲノムでは17個に増えており、この変異によって、鉄が足りずに壊れてしまう光化学系Iを守っていることが分かりました。また、特に鉄欠乏症に強い品種では光化学系Iに鉄節約機構があることが判明したことから、光合成の鉄欠乏耐性にはもっと多くの遺伝子が関与していると考えられます。

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