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食品を「揉むように」「やさしく」運ぶ ―腸の蠕動運動を模倣した混合搬送装置の共同研究がFOOMA JAPAN 2026で受賞―

2026年6月19日

教育・学術

2026年6月2日〜5日に東京ビッグサイトで開催された世界最大級の食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2026」(主催:一般社団法人 日本食品機械工業会)のアカデミックプラザにおいて、中央大学 先進理工学部 精密機械工学科 中村研究室(代表者:中村 太郎 教授)が発表した研究「腸の蠕動運動を模倣した高粘度・固液混合流体の混合搬送装置 ―食品を「揉むように」「やさしく」混ぜながら運ぶ!―」が、アカデミックプラザ(AP)賞を受賞しました。
本研究は、本学 生命科学部 分子微生物学科 複合微生物学研究室 内野教授および野村助教が共同研究者として参画した大学間連携の成果です。
授賞は会期3日目(2026年6月4日)の「AP交流会」において行われました。

受賞概要

【賞の名称】アカデミックプラザ(AP)賞
【開催展】FOOMA JAPAN 2026(世界最大級の食品製造総合展、第49回)
【主催】一般社団法人 日本食品機械工業会
【会期・会場】2026年6月2日(火)〜5日(金)/東京ビッグサイト
【授賞日】2026年6月4日(会期3日目「AP交流会」)
【受賞対象】ポスターセッション発表「腸の蠕動運動を模倣した高粘度・固液混合流体の混合搬送装置 ―食品を『揉むように』『やさしく』混ぜながら運ぶ!―」(テーマ区分:流動・攪拌)
【主たる受賞者】中央大学 先進理工学部 精密機械工学科 中村研究室(代表者:中村 太郎 教授)
【共同研究者】東京農業大学 生命科学部 分子微生物学科 複合微生物学研究室(内野 昌孝 教授、野村 佳歩 助教)

賞について(アカデミックプラザ賞)

アカデミックプラザ(AP)賞は、FOOMA JAPAN内の「アカデミックプラザ」でポスターセッション発表された研究を対象とし、(1) 新商品開発への有用性、(2) 従来製品の改良への有用性、(3) 将来の技術開発への有用性、(4) 最新技術の情報性、(5) 共同研究対象としての可能性、(6) アカデミックプラザの発展への貢献、(7) ポスター表現のわかりやすさ、等を基準とします。日本食品機械工業会 技術委員、アカデミックプラザ来場者(主として企業関係者)、参加研究室の各代表による投票結果に基づき、獲得ポイントの多かった発表に授与されます。

研究の概要

固体と液体が混在する食品や高粘度食品を、破砕や詰まりを生じさせずに「やさしく混合・発酵・搬送」できる新しい蠕動運動型ミキシングポンプを提案した研究です。本装置は、腸の蠕動運動に着想を得た柔軟チューブ構造を持ち、チューブを周期的に収縮・弛緩させることで内容物を包み込むように押し出します。回転羽根やスクリューを用いない低せん断方式であり、食品に強い力を与えず、形状や品質を保持したまま連続搬送できる点が特徴です。

ポンプユニットを複数直列に接続し、各ユニットを個別駆動することで、前後搬送・垂直揚重・混合攪拌などの動作を自由に切り替えられます。これにより「混合」と「搬送」を一体化し、従来のバッチ処理を連続プロセスへ置き換えることが可能です。

研究の特長・先進性

• 生物模倣(バイオミメティクス):腸の蠕動運動を模倣した柔軟チューブ構造により、低せん断で内容物を搬送する。
• 混合と搬送の一体化・連続化:バッチ処理から連続プロセスへの転換を可能にする。
• 多様な食品への対応:ジャム、トマト加工品、みそ、乳製品などの高粘度流体に加え、ホールイチゴ、白菜、モズク、茶葉などの軟質・絡みやすい固形物も破損なく安定搬送できることを確認。
• 発酵工程への応用:穏やかな揉み込み混合により菌の分散性が向上し、ヨーグルトや後発酵茶などの発酵促進にも有効。
• 社会的意義:混合・搬送・発酵を一本の配管で連続処理する新しい食品加工プラットフォームとして、省人化・省スペース化・洗浄負担の低減・品質安定化・製造コスト削減への貢献が期待される。

東京農業大学(複合微生物学研究室)の役割

本研究は、精密機械工学を専門とする中央大学 中村研究室と、食品・発酵分野を専門とする本学 内野研究室との大学間共同研究として実施されました。本学は従来ない本装置を利用し、食品の適切な発酵、より短い時間で進める手法の開発部分を担い、装置の食品応用面の検証に貢献しています。

※本受賞(FOOMA AP賞)の応募・発表は中央大学 中村研究室を主体とするものです。本学記事では受賞主体を中央大学と明示したうえで「共同研究者として参画」と位置づけています。

[研究室からのコメント]
工学と食品科学の融合は食品加工における重要な分野です。本研究は中央大学の中村教授が開発した装置を用いて本学の食品科学や発酵学における知識や経験を用い、発酵の最適化、発酵時間の短縮に対しての有用性を検証しています。この技術を用い、品質の向上や製造時間の短縮など発酵食品業界に役立てればと考えています。

今後の展望

本装置は、食品製造の自動化・省人化・連続化(フードテック)に資する技術として期待されます。研究グループは今後、おいしい発酵食品を効率よく生産する技術開発を進める予定です。

関連リンク

特許情報

用語解説

• 蠕動(ぜんどう)運動:腸などの管状器官が、内容物を一方向へ送り出すために波打つように収縮・弛緩を繰り返す運動。
• バイオミメティクス(生物模倣):生物の構造や機能を工学的に模倣し、技術開発に応用する考え方。
• 低せん断:回転羽根等による強い剪断力を与えないこと。食材の形状・品質保持に有利。
• アカデミックプラザ:FOOMA JAPAN内に設けられる、大学・研究機関による研究発表の場。

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