地域創成科学科シンポジウムを開催 ―「人口縮小社会における地域の景観構造の将来像」
2026年5月7日
教育・学術
地域創成科学科は、2026年で創設10年目を迎えました。
この間、人口減少や気象災害の激甚化など、地域が直面する課題は一層深刻さを増しています。
こうした状況を踏まえ、地域創成科学科では2026年4月29日、東京農業大学 世田谷キャンパス 百周年記念講堂において、「人口縮小社会における地域の景観構造の将来像」をテーマにシンポジウムを開催しました。
当日は高校生を含む一般参加165名、在校生を含め約500名が参加し、在校生・高校生・卒業生がともに学び交流する機会となりました。

開会挨拶 地域環境科学部長 竹内 康 教授
開会にあたり、武生 雅明 学科長より地域創成科学科の教育理念についての説明が行われました。自然科学と社会科学の学びから地域づくりに貢献できる人材の育成を目指していることが示されました。

学科長 武生 雅明 教授「地域創成科学科の教育理念」

第1部では、自然再生分野および地域マネジメント分野の教員による研究発表が行われ、人口減少や環境変動の中での地域の自然・生態系、関係人口、社会、そして防災のあり方について、国内外の多様な視点から話題が提供されました。

保全生態学研究室 亀山 慶晃 教授
「人間活動と花粉流動の質的変化」

地域環境保全学研究室 鈴木 康平 准教授
「草原を次の世代につなぐ」

保全生態学研究室 浅井 俊光 准教授
「外来植物(オオカナダモ)の駆除技術」

地域環境保全学研究室 竹内 将俊 教授
「絶滅が危惧される沖縄のカタツムリ」

地域環境保全学研究室 下嶋 聖 准教授
「気候及び社会変動を受ける山岳景観の保全」

地域デザイン学究室 入江 彰昭 教授
「ふるさと・風景の再編」

地域デザイン学究室 茂木 もも子 准教授
「社会科学からみる農村・都市・政策」

地域環境工学研究室 本田 尚正 教授
「防災と地域社会」
第2部では、会場参加型の「旗揚げ式」によるキャリアデザイン・ワークショップ(パネルディスカッション)を実施しました。卒業生が登壇し、進路選択や現在の仕事、地域との関わりについて話題を提供いただき、地域創成科学科の教育研究やキャリアデザインについて意見が交わされました。
卒業生からは、当初は文系志望であったが理系分野へ転換し、地域創成科学科で土木分野を学んだことをきっかけにエンジニアとしての道に進んだ事例をはじめ、地元の農業高校の教員、地理情報システム(GIS)を学び国土地理院で働く事例、緑を活かしたマネジメントに携わる事例など、多様な進路選択の実体験が語られました。
また、地域創成科学科での学びとして印象に残っている実習については、1、2年次のフィールド実習における植物同定や水質調査、その後の分析・実験までの一連のプロセスや、2年次の地域創成総合実習(地域計画プランニング)において、現地で調査や地域住民からのヒアリング・グループワークを行い、地域計画を立案した経験などが紹介されました。
さらに、卒業後のキャリアに関しては、国家公務員、地方公務員、総合建設コンサルタントなど多様な分野で活躍していることに加え、専門分野を越えて相談できるネットワークが形成されていること、また、地域創成科学科で培った総合的な知識・技術を活かし、新たな分野や資格への挑戦に対する柔軟性が養われていることなど、本学科の教育研究の強みが共有されました。

地域創成科学科のキャリアデザインを理解・探究するワークショップ
「地域創成科学科が目指す人物像」パネルディスカッション
<パネルディスカッション登壇者>
根津 香里(国土地理院)
石渡 明日翔(太平洋プレコン工業株式会社・大学院地域創成科学科専攻博士前期課程1年)
片桐 実菜子(佐久平総合技術高等学校)
古旗 泰岳(株式会社日比谷アメニス)
コーディネーター:藤川 智紀(地域環境工学研究室・世田谷キャンパス就職対策委員長)
矢野 加奈子(合同会社流域共創研究所だんどり)

旗揚ワークショップの様子
本シンポジウムは、地域創成科学科の10年間の教育研究の成果を共有するとともに、「地域で何を学び、どのように社会に貢献していくのか」を改めて考える機会となりました。
シンポジウム後には、サイエンスポート・エアーブリッジにて地域創成科学科創設10周年祝賀会を開催し、来賓の皆様、卒業生・在校生、教員による交流が行われました。

東京農業大学 理事・宮林 茂幸 名誉教授による挨拶

祝賀会の様子
開催にあたり、ご参加ならびにご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げます。
