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ニュースリリース

本学の卒業生と教員が学会論文賞を受賞

2023年4月7日

教育・学術

 国際農業開発学科の卒業生である田中草太さん(現在、秋田県立大学助教)と柿沼穂垂さん(現在、農業生産法人種まきうさぎ株式会社)、同教員の足達太郎教授が共著者となった学術論文「ジョロウグモへのセシウム137の移行とその経路―炭素・窒素安定同位体比分析による検討」(英文)が一般社団法人 日本原子力学会のJNST Most Popular Article Awardを受賞しました。

 この賞は2021年発行のJournal of Nuclear Science and Technology誌に掲載されたなかでダウンロード数の多かった論文におくられるものです。論文の概要については以下のリンクを参照してください。

足達教授からひとこと

 2012年から福島県浜通りの飯舘村・相馬市・浪江町などで原発事故後の住民のくらしと環境の回復を目的に研究をおこなってきました。具体的にはバッタやクモなどの節足動物を介して放射性物質がどのように環境中を移行しているのかをしらべています。原発から一度に大量の放射性物質が環境中に放出された事例は、過去にスリーマイル島原発事故(1979年)とチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故(1986年)しかありません。そのため、生態系における放射性物質の移行・循環についてはほとんどわかっていません。これは比較的ミクロなレベルでの研究ですが、マクロなレベルでは、福島県の面積の約7割をしめる森林の林床には大量の放射性物質が沈着しており、これを人為的に除去することはほぼ不可能です。放射能が自然に減衰して事故前のレベルまでさがるまでには100年以上かかります。したがって、福島の復興をめざす前提として、このような事故がふたたびおこる可能性があり、いまだに放射性廃棄物を処理する方法が確立されていない原発にたよったエネルギー政策を転換しなければなりません。そのためには、いまの日本社会のありかたをさまざまな面から見なおす必要があります。どのようにかえるべきなのか、みなさんとともにかんがえていきたいと思います。

受賞

学  会:一般社団法人 日本原子力学会
受賞業績:「ジョロウグモへのセシウム137の移行とその経路―炭素・窒素安定同位体比分析による検討」
受  賞:JNST Most Popular Article Award

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