微生物農薬に使用される枯草菌が分泌する環状リポペプチドの植物病害抑制メカニズムを解明｜農芸化学科 横田 健治 教授ら
2022年4月6日
教育・学術
枯草菌（Bacillus属）は、植物の病気を抑制する微生物農薬として世界中で使用されています。しかし、その病害抑制メカニズムは未解明な点が多く、世界中で研究が進められています。
農芸化学科 横田 健治 教授らの研究グループは、モデル植物であるシロイヌナズナを宿主植物として用い、枯草菌が分泌する環状リポペプチドが、葉面の細菌病害を抑制メカニズムを解明しました。この成果は日本植物病理学会が発行するJournal of General Plant Pathology誌に掲載されました。
環状リポペプチドの病害抑制メカニズムは、宿主植物の病害抵抗性（免疫）を誘導しますが、植物の病害抵抗性は多様なネットワークにより構成され、極めて複雑です。今回の研究では、シロイヌナズナの遺伝子組換え体を宿主植物に用いることで、植物体内の主要経路を特定。これらの研究成果は科学的根拠に基づく実用的な微生物農薬の開発へつながるものと期待されます。
なお、本研究成果は、日本学術振興会の科学研究費助成事業（科研費）の支援を受けて実施致しました。
詳細情報
Insights on suppression of bacterial leaf spot by Bacillus cyclic lipopeptides via induced resistance in Arabidopsis thaliana
Carla Suzuki Altrão, Mana Kaneko, Shigeaki Shiina, Akinobu Kajikawa, Hirosuke Shinohara, Kenji Yokota