食香粧化学科 相根 義昌 教授、宮下 慎一郎 准教授のショートレビューが月刊「細胞」(2026年1月号)に掲載
2026年1月5日
教育・学術
食香粧化学科 相根 義昌 教授および宮下 慎一郎 准教授によるショートレビュー「ボツリヌス C 型毒素複合体に見出された経口毒性強化型変異」が、月刊「細胞」(2026年1月号)の Topics from special edition に掲載されました。
月刊「細胞」は、細胞の構造と機能を電子顕微鏡学的および生化学的手法から探究する学術雑誌であり、1969年の創刊以来、基礎研究と医療・生命科学分野をつなぐ最新の知見を発信しています。
本ショートレビューでは、ボツリヌス C 型毒素が無毒タンパク質群と形成する毒素複合体(PTC)に着目し、その構成要素である HA-33 に生じた自然変異が、腸管上皮における糖鎖認識性を変化させ、経口毒性を著しく強化することを概説しています。特に、北海道で分離された C-Yoichi 株に由来する HA-33 の特性と、それに伴う毒素複合体の高い経口毒性について、これまでの研究成果を基に整理されています。
本稿は、ボツリヌス毒素の病原性が神経毒素本体のみならず、毒素複合体を構成する付随タンパク質の多様性によって大きく左右されることを示すものであり、C 型および D 型ボツリヌス菌の病原性理解やリスク評価に新たな視点を提供する内容となっています。
研究の社会的意義
本研究は、食中毒や家畜感染症の原因となるボツリヌス菌の病原性を分子レベルで理解する基盤を提供するものです。毒素そのものだけでなく、毒素複合体を構成する付随タンパク質の多様性に着目することで、食品安全や公衆衛生、感染症リスク評価の高度化に貢献することが期待されます。
また本研究は、日本学術振興会 科学研究費助成事業(JSPS 科研費)
18K07123、22K07057、25K10348 の支援を受けて実施されました。
