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ニュースリリース

11月13日(火)生物的防除部会 平成30年度 第2回講演会 開催

2018年11月6日

教育・学術

総合研究所研究会 生物的防除部会 平成30年度第2回講演会を開催いたします。
会員の皆様はじめ多くの方々がご聴講くださいますようにお願い申し上げます。

日時

平成30年11月13日(火) 午後3時00分~5時00分

会場

東京農業大学 世田谷キャンパス 1号館 4階 444教室

講演会

演題1 「土着ジェネラリストカブリダニ類に対する各種殺虫剤の影響評価」
Evaluation of the effect of pesticides on native generalist phytoseiid mites.
農研機構果樹茶業研究部門リンゴ研究拠点 岸本英成 氏
< 講演要旨 >
近年、土着天敵類を利用した害虫防除法の確立に向けて、果樹をはじめとする農生態系でのカブリダニ相の知見が蓄積されつつある。特に、農薬散布回数の削減や選択性殺虫剤の活用により、ニセラーゴカブリダニ、フツウカブリダニ、ミチノクカブリダニおよびコウズケカブリダニといった幅広い食性をもつジェネラリストカブリダニ(以下ジェネラリスト)種の観察例が徐々に増えている。これらジェネラリスト類はハダニ類の密度上昇を未然に防ぐ潜在的な天敵、あるいはフシダニ類やアザミウマ類などの微小害虫に対する天敵としての役割が期待されている。これらジェネラリスト類の保護活用に向けては、他の天敵類と同様、悪影響の少ない病害虫防除体系の構築が必須であり、その下地として各種殺虫剤に対する影響の情報を蓄積していく必要がある。
しかし、これらのジェネラリスト類については、効率的な室内検定法がなかったことから薬剤感受性はこれまでほとんど調べられていなかった。演者らは、従来カブリダニ類の室内検定試験に利用されるリーフディスク法の代替として、市販飼育容器のメッシュ付き蓋とフェルトを組み合わせて、ジェネラリスト類が好む微生息環境を提供することによって、簡便で精度の高い薬剤感受性検定装置を考案した。さらに、ジェネラリスト類を保護する防除体系確立に向けて、近年使用頻度が高まっているネオニコチノイド系、ジアミド系、IGR系を中心とした殺虫剤および新規殺ダニ剤に対する影響を調査した。本講演では、検定法の内容と影響評価の結果について紹介する。

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ミカンハダニを捕食するニセラーゴカブリダニ

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リンゴハダニを捕食するフツウカブリダニ

演題2 「生物農薬(天敵昆虫剤)と化学農薬の普及方法の相違点」
前(一社)全国農業改良普及支援協会 副会長  関 康洋 氏
< 講演要旨 >
化学農薬への抵抗性の発達、利用可能農薬の減少、防除回数の増加、農業の担い手の減少と労働力の質的低下、人(消費者・農業作業者)にも、環境にも優しい防除技術の開発要望など、病害虫防除を巡る環境が大きく変化してきた。 全国農業改良普及支援協会では平成17年度に天敵昆虫の利用・普及の相談を受けたことをきっかけに、全国の農業改良普及関係職員を中心に組織する「全国農業システム化研究会」の中に「天敵昆虫を利用した病害虫防除技術の研究・調査」の課題を設け、平成18年度より天敵昆虫の利用・普及に関する各種調査・研究を実施してきた。
この13年間で得られた成果とそこで見えてきた課題について総括する。

参加費

生物的防除部会会員・学生・農大関係者:無料
非会員:2000円

※ 講演会終了後、講演者らを囲んでの懇親会(参加費3000円)を予定しています。ぜひご参加ください。

参加申し込み・お問い合わせ

生物的防除部会 部会長 根本 久 nemoto.biocont@gmail.com までお願い致します。

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