東京農業大学

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教員コラム

フィールドスポーツ競技を支えるスポーツターフを科学する?!

2010年10月18日

地域環境科学部造園科学科 教授 近藤 三雄

芝生の状態で勝敗が決まる?!

サッカーのワールドカップで、熱戦を繰り広げる選手たち。その勝敗を決める華麗なプレーに、少なからぬ影響を及ぼしているのが「スポーツターフ=競技用芝生地」のコンディションです。そのため、公式戦の芝生フィールドには、さまざまな厳しい基準が設けられており、例えば、公式ボールの弾みや転がり、フィールド表面の硬さ、芝草の強度、芝生の均一性や茎葉の密度などがチェックされています。

こうした基準はサッカーだけではなく、ゴルフ、ラグビー、テニス、馬術競技などにもあり、それぞれのスポーツにあった芝生のコンディションの維持・管理が行われています。しかし、実際には、芝草が生育する土壌や砂、それらを取り巻く太陽光や雨水、熱などが変化するため、芝生のコンディションを均一に維持するのは非常に困難だというのが現状です。

 

均一なフィールドの実現に向けて

競技用フィールドの芝草は、寒地型と暖地型に大別され、前者は秋季から冬季の涼しい環境で生育量が増大し、後者は春季から夏季の温暖・高温環境で増大します。この違いを利用して、長期間使用できるよう両方の芝草を混合したり、寒地型芝草の数種類を混合して造成する競技場もあります。芝生のコンディションを維持するために、さまざまな試みが行われていますが、高水準の競技場を作るためには、さらなる研究が必要です。

あるサッカー場の芝草を抜き取り、調べたところ、一見、ジュウタンのように見える芝草でも、生育する場所により、茎の太さや葉の密度などに違いがあることがわかりました。こうした違いを継続的に調べていくことで、より質の高いフィールドづくりのヒントが得られるものと考えています。(造園地被学研究室)

 

だから「地域環境科学部」はおもしろい。

“Think globally, Act locally”

つまり、「地球規模でものごとを考え、地域レベルで行動する」。これが地域環境科学部のモットーです。世界レベルで広がる地球環境の悪化に対して、私たちができることは何でしょうか? まずは自分たちの生活を見直し、山村・農村・都市といった地域から自然との共生を考えていく。これが大切だと考えています。

地域が変われば、日本全体が変わり、そして世界も変わっていくのではないでしょうか。そのために、林学、農業工学、造園学という専門分野において、東京農大が蓄積してきた知識と技術を生かし、山村地域や農村地域、都市地域をフィールドに学問的アプローチを試み、実践していきます。

 

NODAI TOPICS
2006年度から全学部全学科でセンター試験利用入試を導入します。

 

 

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