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学生が挑む!研究紹介

生命誕生のメカニズムに興味をふくらませ胚培養士をめざして顕微授精の研究に取り組む

2016年3月2日

平成27年3月卒 動物発生工学研究室 池下レディースクリニック吉祥寺勤務 内田美里

生命誕生のメカニズムに興味をふくらませ胚培養士をめざして顕微授精の研究に取り組む内田美里応用生物学の分野を学んでみたい  高校時代、得意科目は化学、一番好きな科目は生物でした。大学では応用生物学の分野を学びたいと思い志望校を探したところ、多様な入試制度によって受験機会が豊富な東京農大に注目。得意科目が生かせる4科目型のセンター試験利用入試で合格することができました。農学だけではなく幅広い分野が学べるこの大学は部活動も盛んで、小1から続けてきた剣道を継続できる剣道サークルがあったことも志望動機の1つでした。 化学の知識を基礎にバイオサイエンスの幅広い領域を学ぶ  入学したら動物に関する専門領域を早く学びたいと思っていましたが、1年次は有機化学や無機化学など化学関連の科目が多く、生物関連の授業が待ち遠しかったことを覚えています。2年次には動物生理学や動物細胞工学など、マウスを使って実験をおこなう授業が増え興味がふくらむ毎日でした。しかし、実験の後で結果報告をまとめる際には化学式の基礎力が欠かせず、1年次に化学系の科目を徹底して学んだことの意味がよく理解できました。そのほかにも動物、植物、微生物、食品などの関連科目を幅広く学ぶことによって、バイオサイエンスのなかで自分のめざす専門分野をじっくりと絞っていくことができました。 マウスを使った体外受精の研究で生命の尊厳にふれる  動物発生工学研究室は、哺乳類の発生をテーマに卵子や卵巣の発生学的な機能の解明や、胎盤を利用した研究、遺伝子組み換えマウスの作出や解析などをおこなっています。生命の誕生に興味があった私は、3年次はじめの動物発生工学の授業で、卵子と精子の受精の瞬間とその後の活性化の様子を動画で見て感動し、この研究室しかないと入室しました。学生は実験テーマ別にチームに分かれて実験をおこないますが、在室時間を自由に選択できるので、自分の計画に合わせて研究を進められる研究室でした。しかし実直な学生が多く、朝9時から夜の8時までかならず誰かが実験をしているという毎日でした。  卒業研究では、体外培養をすると胎仔の発生率が落ちてしまうとされているマウスの卵子と精子を用いて、ICSIによって得た受精卵を培養することで胎仔発生率にどのような影響があるかを調べる研究に取り組みました。ICSIとは、現在不妊治療に応用されているマイクロマニピュレーターという機械を用いて、直接卵子に精子を入れて受精させる技術です。このテーマを選んだのは、不妊治療のお手伝いをする胚培養士をめざしていたからです。マイクロマニピュレーターを大学院生といっしょに学部生も使うことができるのが、この研究室の魅力の一つでもありました。最初は受精がまったくうまくいかず、命をあつかうことの難しさを痛感しましたが、ICSIによって受精卵を得たときや、ついにマウスが生まれたときは、結果が出たうれしさ以上に、生命誕生の奥深い尊厳に圧倒され、畏敬の念をもちながら研究を続けました。  卒業後は都内のクリニックに胚培養士として就職しました。今後も数多くの命の誕生に接していくことになりますが、大学で学んだ生命の尊厳を忘れずに、社会の未来に貢献できるよう、知識と技術を高めていきたいと思います。

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