東京農業大学

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東京農業大学の研究活動

functional NIRS装置

これが相棒です!

第4回

 犬や猫などの動物とふれあうことで、私たちの心はいやされる。近年の研究では、心身に健康効果をもたらすことが明らかになっており、セラピー犬などを導入する病院や老人介護施設も増えている。動物行動学、ヒトと動物の関係学を研究する農学部動物科学科の内山秀彦准教授は、この動物とのふれあいにおいて、人の体、特に脳にどのような変化が起きているのか探ってみようと考えた。

 そこで導入したのがfunctional NIRS装置。ヘッドギアのような装置を頭に装着し、脳内の酸素と結合したヘモグロビンの変化を計測する。脳細胞が活動する時には酸素を必要とするため、酸素と結合したヘモグロビンの量が高まることは、その脳部位が活発に動いていることを示し、さまざまな脳部位の活動をリアルタイムに知ることができる。

 内山准教授は「精神医学の領域では、判断がつきにくいとされるうつ病と双極性障害(躁うつ病)の診断に用いられるような装置で、農学部で、また動物に関わる研究で使っている例は他に無いはずです」と言う。2018年6月に導入し、研究は進んでいる。「犬や猫と触れ合うことで、前頭前皮質の活動が上昇することが分かってきました。この時、猫が人の期待を裏切る、ツンデレ的な行動をとると、特に高まることも分かりました」。アニマルセラピーによって行動改善が報告されている発達障害児は、前頭前野機能不全がその原因の一つとして疑われており、この装置で脳の活動測定をすることで、行動改善のメカニズムを説明することが可能になると期待しているという。

 内山准教授は「犬や猫、馬などとの長い付き合いの歴史から、私たちは経験則上、まさに知らず知らずのうちに、さまざまな恩恵を受けてきました。その恩恵について、この装置を使った研究で、生理学的に定量性をもって明らかにしていきたいと思っています」と語っている。

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