東京農業大学 環境宣言
学長 江口 文陽
日本政府は、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを宣言しました。持続可能な社会の実現には、地球規模で温室効果ガスの排出量をさらに削減し、脱炭素社会を実現しなければなりません。東京農業大学が長年にわたって取り組んできたさまざまな教育、研究活動は、こうした環境問題の解決に幅広く寄与してきました。農業生産技術指導に始まる、世界各地で取り組まれている貧困解消に向けた幅広い活動に協力してきました。廃棄物処理、森林伐採、化学物質による水や土の汚染など、地球上のいたるところで発生している環境破壊の問題の解決にも寄与しています。
東京農業大学は、「生きる」を支える幅広い領域、すなわち生命、食料、環境、健康、資源エネルギー、経済、社会、地域、グローバルまで総合的に教育・研究する農生命科学系総合大学です。
今必要なことは、個々の学生が、現在地球上で起きているさまざまな問題を強く認識し、これらの解決に向けて、それぞれの立場で実践することです。また研究においては、学内プロジェクト研究や産学共同研究による成果を社会に発信し、環境改善のアイディアや技術を提供していくことが大切です。各キャンパスの自然や生物の保全、消費電力の削減と適正化、フードロスをはじめ、排出される廃棄物の抑制、特に化学物質の排出とその取り扱いについても適正管理を実行することが必要です。
東京農業大学創設以来の教育研究の使命は、国連が2030年までに達成すべき世界共通の目標として掲げる持続可能な開発目標SDGsにも完全に一致します。東京農業大学はこれからも地域から世界において、環境問題の解決に向けて深く社会に貢献することを宣言します。