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ニュースリリース

東京農業大学の授業料などに関する考え方について

2020年5月15日

お知らせ 保護者

2020年5月15日
東京農業大学長 髙野克己

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言が継続する中、東京農業大学は5月11日(月)からインターネットを利用した遠隔授業を始めました。前学期中、対面授業は行わず、すべての授業は遠隔授業で実施することを決めています。前例の無いことですが、学生、教職員の生命、健康、安全を第一に考え、決断しました。

 授業は始まりましたが、世田谷、厚木、北海道オホーツクの3キャンパスは立ち入り禁止を継続しており、図書館などの施設も利用ができない状態が続いています。このような状況のためか、授業料や整備拡充費などへの質問が寄せられています。そこで、大学としての考え方をお伝えしたいと思います。

 授業料、整備拡充費、実験実習演習費などの学生納付金は、年度ごとに納めていただいています。しかし、学生納付金はその年度の“サービス利用料”ではないことを、まず理解していただかなくてはなりません。学生納付金は、学部なら4年、大学院なら2~5年の間の教育に必要とされる総額を年数で分割し納めていただいているものなのです。

 整備拡充費の説明が分かりやすいでしょう。

 整備拡充費は、大学の運営に必要な施設の取得・維持費や物件費の支出に充てられています。例えばこの春から運用を始めた新研究棟「農大サイエンスポート」、昨年秋から使用を開始した農学部の実験実習棟等の建設は、学校法人東京農業大学による長期的な資金運用によって、まかなわれています。つまり、現在、整備拡充費を納めていただいているみなさんだけでなく、今後何十年かの未来の農大生が納める整備拡充費も当て込んだ予算計画で建てられたのです。3キャンパスにあるすべての建物は、十数年に及ぶ整備拡充費の積立によって建てられ利用されています。

 ですから、今年度前期は農大サイエンスポートが利用できないから、前期分の農大サイエンスポート利用料に相当する整備拡充費を減額する、ということにはならないのです。

 図書館も閉館中で入館はできませんが、電子ブック、電子ジャーナル、文献データベースなどの電子資料は自宅パソコンからアクセスして利用できるように整備されています。また、閉館中でも、新刊の学術研究書や日々発行されている新聞各紙の購入を続けています。入館可能となった時に備えて、知の蓄積を進めています。

 授業料も同様です。学部であれば、卒業に必要な124単位の総額を、学科によって差はありますがほぼ4等分した額を各年度納めていただいています。

 それぞれの授業は、シラバスで示されている学修内容や学修レベルを達成できれば、単位が授与されます。国の認可を受けて教育を提供し、学位を授与する大学としては、どのようなことがあっても、授業による単位の質を下げることは許されません。

 本学は「教育研究上の目的」、「教育目標」と共に、以下の「3つの方針」を学部、学科、研究科、専攻ごとに定めて、教育の質を担保しております。

 卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)、入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)。

 現在の遠隔授業が理想的な授業形態でないことは確かです。しかし、現在の状況下で教育を継続するには、これが最善の形態なのです。教職員が不慣れなために多少の混乱もあるかもしれませんが、教員は遠隔授業だからといって、通常の授業より低いレベルの授業をすることはありません。むしろ、遠隔授業であることを生かした刺激に満ちた、より質の高い授業となるよう努力しています。

 みなさんも創意工夫して遠隔授業に取り組むことで、この授業形態ならではの価値を見出してください。

 このような考えから、東京農業大学は、授業料、整備拡充費などの学生納付金の減免は行いません。しかし、使用を禁止している施設があるのに、整備拡充費を負担していただいていることは、学長としても確かに心苦しく思います。とはいえ、キャンパスの閉鎖が解けた時、これまでと同じような教育研究が継続できるよう、諸施設の機能を維持すべくご負担していだだいていることをご理解ください。

 ご存知の通り、東京農業大学は、遠隔授業実施に伴い、学生のみなさんの通信環境整備の費用などに充ててもらうため、学部の全学生に一律5万円を支給することを決めています。また、世界的な経済活動の停滞によって、経済的困難に見舞われ、学業継続の困難に直面している方もいると思います。本学に限らない全国的な問題であり、日本私立大学連盟などを通じ、国に対し迅速適切な施策の実施を要請しています。さらに、東京農業大学としても新たな特別臨時奨学金制度を設けて、そうした方へ給付することや、学生支援募金で卒業生をはじめ広く社会へ支援を呼びかけていく予定です。制度設計を急ぎ、なるべく早く詳細をお伝えしたいと思います。

 東京農業大学は来年、創立130年を迎えます。学生のみなさんと教職員が一体となって、この難局を乗り越え、記念の年に向かって進みましょう。地球のすべての生き物の「いのちを支える」学びを続けましょう。

 ご理解とご協力をお願いします。

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