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ニュースリリース

今、「農大和牛」が注目されています

2020年1月14日

教育・学術

黒毛和種牛は“さし“という霜降りで有名な日本のブランド牛肉です。全国で黒毛和種のブランド化が行われており各県毎に銘柄があります。現在、牛肉の価値は霜降りと言った筋肉の中に混在する脂の度合いに重点を置いて評価しています。このような牛を作るには多くの場合輸入穀物を組み合わせて配合した飼料を独特のプログラムのもと与える必要があります。

一方で、牛は本来の草を食べる生き物ですので、牧草を食べた健康的な赤身の肉も牛肉の楽しみ方として注目が集まっています。農大和牛は、草地の牧草を食べて育った赤身が特徴の和牛です。第一弾として出荷された農大和牛はその赤身おいしさが高く評価されています。

現在、日本では肉生産に用いる子牛の数が不足しているため、子牛価格が高く、これが肥育農家の経営を圧迫し和牛の増産が大きな課題となっています。受精卵を使った和牛の増産は、酪農家の乳牛を活用するため、酪農家では牛乳生産に加えて、高価な和牛子牛の販売収益により経営を安定化させる効果もあります。受精卵を活用した子牛生産を介して、新しい和牛の形を提案するとともに、農業や地域の振興に役立てていこうと考えています。

農学部動物科学科の家畜繁殖学研究室では、受精卵(胚)の研究をしています。研究室で開発した胚の作成方法や凍結方法を応用して、高品質な胚を生産し、この胚を用いて子牛の生産も行っています。農大和牛は研究室で黒毛和種牛の卵子と褐毛和種牛の精子で作成した体外受精卵を、農大の牧場で乳牛に移植して生まれた和牛です。生まれた子牛は、緑いっぱいの牧草地で育ちます。この牛を農大和牛として市場に送り出すことで、学科の学生は研究室のバイオテクノロジーの研究から牛の肥育までのプロセスを体験することができます。顕微鏡から食卓までの実学になります。

東京農業大学総合研究所主催「革新的技術研究成果報告会」(2019年12月19日、東京丸の内の丸ビルホールにて開催)においても「農大和牛」に関してマスコミ取材が多数ありました。
https://www.nodai.ac.jp/news/article/24259/

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