第8回日本ポリフェノール学会学術大会が開催されました
2014年9月2日
教育・学術
平成26年8月8日(金)、東京農業大学・世田谷キャンパスに於いて、第8回日本ポリフェノール学会学術大会(農大後援・賛助)が開催されました(会頭:上原万里子教授(食品安全健康学科))。
本学会は2007年にポリフェノール研究会として発足し、産官学を問わず、ポリフェノールに関する学術研究を深め、研究者間の情報交換と連携の場とし、また、一般消費者に対する啓蒙・普及に努めることを目的として、2010年に日本ポリフェノール学会へと名称変更しております。
第8回学術大会では、この4月から農大・応用生物科学部・栄養科学科に赴任された清水誠先生に「腸管の機能とポリフェノール」と題した基調講演を、日本健康食品規格協会・理事長の池田秀子先生に「食品の新たな機能性表示制度と製品開発?ポリフェノールを事例として?」と題した特別講演をお願いいたしました。更に、「企業研究者によるポリフェノール製品開発の道程とその機能性メカニズム」と題し、シンポジウムも企画いたしました。一般講演では、会員・非会員を問わず、広くポリフェノール研究について熱く討論していただきたく、全てポスター発表といたしました。
当日は講演要旨集が不足する予想外の来場者数となり、午前中はシンポジウムからスタートいたしました。①大塚製薬㈱佐賀栄養製品研究所「エクオール含有食品「エクエル」の研究開発-基礎から臨床試験まで-」②㈱明治・食機能科学研究所「カカオポリフェノールと生活習慣病予防作用」③サントリーグローバルイノベーションセンター㈱研究部「ケルセチン配糖体による体脂肪低減効果」④花王㈱生物科学研究所「コーヒーポリフェノールの抗肥満作用」の計4題で、各社が注目するポリフェノールの製品化の経緯、その機能性メカニズムについて解説していただき、質疑応答も活発に行われました。午後は清水先生の基調講演から再開し、ポリフェノールの生体内動態・利用率を考えるにあたり、関門となる腸管での輸送機構、また、その腸管内で起こる炎症をはじめとする様々な反応を制御するポリフェノールの可能性について紹介されました。池田先生は、この7月末に検討会報告書がまとめられ、業界の関心度の高い「食品の新たな機能性表示制度」について、報告書の概要を紹介していただきました。その後、29題のポスターセッションが始まり、農大関係者を除く学会理事および評議員、講演者の方々にも加わっていただき、優れたポスター(35歳未満でエントリー)に対するYoung Investigator Award(YIA)の審査も行われました。
懇親会では、和やかな雰囲気の中、YIAの表彰式が行われ、金賞は農大・応用生物科学部・食品安全健康学科・井上博文助教、銀賞は岐阜大学・応用生命科学の北村幸平さん、銅賞は同点3名で、お茶の水女子大学・大学院の塚原知里さん、農大・大学院・食品栄養学専攻博士前期課程2年吉野佐和子さん、同課程2年高橋文太さんが受賞いたしました。
本大会にご参加いただいた皆様方、ご尽力いただいた実行委員の先生方、院生の皆様、賛助をいただいた企業・団体の皆様方および後援・協賛の東京農業大学に厚く御礼申し上げます。