東京農業大学

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ニュースリリース

新年のご挨拶

2022年1月1日

お知らせ

みんなで元気に挨拶をしましょう

学長 江口 文陽

 新年あけましておめでとうございます。

 大学とは、総じて学際的な研究を進展させて、知識を有した人材を社会に輩出するために、多様な専門性を持った教職員が学生の教育と研究にチーム力を持って対応することが求められています。すなわち学生の人間力を高めるための教育の質が重要です。

 さらに、令和の時代はグローバル化に関する戦略が不可欠です。しかしながらこの二年間は、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大に直面し、国際交流は円滑な活動が停滞しました。国際社会は、社会構造や感染防止対策を講じながらの交流を推進しようと試みていますが、予測困難な新たな問題が私たちの行動を抑制することも考えられます。

 東京農業大学では、そのような時代を科学的な判断を基盤として生き抜くことができる知識を身につけた人材育成のために、環境や社会的な情勢の変化に迅速かつ柔軟に対応することができる教育研究体制を構築していきたいと考えています。

 さて、本学の専門領域である農学とその関連分野について考えてみたいと思います。

 一般的に農学とは、田畑で作物を生産する学問というイメージを持つ方が多いと思います。大学を目指す高校生などもそういった考えを強く持っていることは事実です。しかしながら、「農学」の分野でも特に本学のような幅広い「総合農学」を扱う学問領域は、広範囲かつ多岐にわたっており、山の頂上から森林、里山、都市、河口、海洋へと繋がる私たちの生活環境と密接な場所に存在する最も身近な学術分野なのです。

 食料、衣料、住宅材料や医薬品などに関する基礎から応用への研究、森林や海洋など地球環境をとりまくグローバルな研究、さらには化石燃料に代わるエネルギー資源の開発にまで至っています。さらに総合農学の技術改革は、国を挙げた農業形態としてICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などの先端技術を利活用した農業の省力化を進めることで生産効率を高める取り組みもあります。こうしたメカニカルな技術を活用して産業振興を推進するためには、「資格」の取得も大学として疎かにはできません。さらに専門職大学は、実験・実習を強化して独自性を発揮しようとしていますが、これら専門職大学と本学の差別化が今後の学生教育やキャリア戦略からポイントになります。

 机上理論から派生した実験、実習ではなく、本学の宝である日本各地に広がるフィールド施設を最大限活用するとともに、それぞれのフィールドに集積されている農林水産物資源を知的財産として教育と研究に活かしていく「フィールドセンター」を基軸としての学生自らが五感で感じ取り、不思議に思ったことや疑問を「自らが調べる」、「誰かに聞く」、「実験する」とした行動や実装によって知識や技術を自らの力としていく教育の場が、「東京農大らしさ」の学びの現場となるものと確信しています。

 大学教育においては、幅広い見識を集積することが必要となります。実社会においても、これまではいろいろな部門での「ジェネラリスト」が求められてきましたが、特定分野に特化した「スペシャリスト」としての役割を担う人材にも期待が寄せられており、社会情勢に応じた教育システムを本学に整備することが大学ブランドの構築になるものと考えています。

 教育と研究においては、フィールドなど現地での調査と研究をマネジメントすることや新たな教材導入など教育方法の改革を実践することも必要です。複雑化している学生の学習や生活に関する相談に応じ、自立支援を促すための「学生生活支援者」、産業界や官庁・自治体などとの共同研究を円滑に進めるための「産学官連携コーディネーター」などの専門職も大学組織の中で活動する体制を強化し、学生教育や研究にも活かしていくことが不可欠です。大学運営上の意思決定および戦略的計画立案に必要な情報を収集、分析することや教員や研究員とともに研究の企画やマネジメント、研究成果の活用促進を検討後に実施するリサーチ・アドミニストレーター(URA)が大学の運営と管理に直接的に携わる役割も果たしていくことが重要であり組織を整備しつつあります。

 本学は、知的・人的な財産を有しており、キャンパスでの教育・研究とともに他大学にはない宝であるフィールド(多くの農場等の施設)を活用することで魅力ある“東京農大らしさ”とともに学生の教育と研究に大きな効果を上げることが大切と考えています。

 本学は、本年も学部学科の教育研究力の強化とともに改革を進めてまいります。学生に対する支援体制も積極的に行い、希望のキャリアを実現する取り組みとともに、実社会で活躍するためのさまざまな資格の取得、コミュニケーションを意識した人間力の向上を支援します。

 さて、「人間力」とはどのように育成するものなのでしょうか。その一歩は挨拶をするということではないでしょうか。新年にあたり学長として学生のみならず教職員や本学に係わる皆さまにお願いしたいと存じます。「みんなで元気に挨拶をしましょう」ということです。

 挨拶は、人間関係を構築し、仲間との協調性を高めるために欠かせないのです。声を出して「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」「さようなら」などの挨拶のできる人間になることが東京農大で生活する全ての人にとって大切です。

 挨拶する声が聞こえる組織はブランド力が上がるとともに個々人の連携や協調性も高まります。

 新年冒頭の学長からのお願いとしてここに“挨拶をしよう”を宣言します。

 学生と教職員は、本年も「東京農大らしさ」にちなんだ多くの活動に取り組んで成果を上げ、東京農大のブランド力の向上とともに実学主義の東京農大として教育研究活動に一層取り組んでまいります。さらに学内外での学生や教職員の活躍をいろいろな方法で情報発信していきます。東京農大の動きに是非ご注目ください。

 東京農大へのご支援、ご協力を心よりお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。

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