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ニュースリリース

共同研究「世界初! 天敵から逃れる戦略を制御するゲノムの特徴を解明 ~死んだふりを操る遺伝子の全貌を突き止めた~」

2021年11月22日

教育・学術

 岡山大学学術研究院環境生命科学学域(農)の宮竹貴久教授、東京農業大学生物資源ゲノム解析 センターの田中啓介助教、玉川大学農学部の佐々木謙教授らの共同研究グループは、米・小麦類の 世界的重要害虫であるコクヌストモドキにおいて、死んだふり時間の異なる育種系統間でゲノム 全体の DNA リシークエンス解析によってゲノム特徴を比較しました。DNA 変異は動く(死んだ ふりしない)系統より動かない(死んだふりする)系統で多くみられました。その中でドーパミン 代謝系関連遺伝子群では複数の変異が見られ、対捕食者回避にドーパミン関連遺伝子が重要なこ とが分かりました。ほかにもカフェイン代謝系、シトクローム(酸化還元酵素)代謝系、寿命制御 系、概日リズム制御系にも変異が見られ、死んだふりという戦略にも複雑な分子基盤が関与する ことが明らかとなりました。

詳細情報

発表のポイント

  • 敵から逃げるため「動く」「動かない」という二者択一的な捕食回避術を進化させた動物は多く います。前者は敵前逃走や闘争、後者は死んだふりという形で敵に対峙します。
  • 私たちは「動く」と「動かない」戦略に特化した甲虫の集団を 10 年以上も育種によって分け、 DNA リシークエンス法で集団間の DNA 変異を比べました。
  • 「動く」戦略では 844 個、「動かない」戦略では 3243 個のアミノ酸が異なる変異遺伝子が見つか り、両者で生存に重要なゲノムネットワークの変化が世界で初めて明らかになりました。

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