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ニュースリリース

生物的防除部会 2020年度第2回講演会

2021年2月10日

お知らせ

下記の通り生物的防除部会 2020年度第2回講演会を開催いたします。
新型コロナの感染防止のため、オンライン講演会として実施致します。
いつもの東京農業大学ではありませんのでご注意ください。
会員の皆様はじめ多くの方がご参加くださいますようお願い致します。 

詳細情報

【日時】2021年2月24日(水)11:00~15:15
【開催方法】Zoom

演題1「ダイズシストセンチュウの新規生物的防除法の紹介」

豊田 剛己 氏 東京農工大学 (11:00~11:45)

ダイズシストセンチュウHeterodera glycines Ichinohe(SCN)はダイズやアズキに被分布するが、近年は関東や近畿地方のエダマメ産地に分布域が拡大している。化学的防除や緑肥作物を用いた耕種的防除など様々な防除法が知られるが、本発表では、演者らが開発中の緑豆すき込み法という生物的防除法について紹介する。これは初期生育が極めて旺盛な緑豆を2~4週間程度栽培し土壌にすき込むことで、土壌中のSCNの孵化を促進し餓死させる方法である。孵化に土壌水分や地温が大きく影響するが、両者の好適条件下で実施できれば、短期間、低コストの線虫密度低減策となる。また、土壌の肥沃度向上効果や、硝酸イオンの溶脱防止効果も期待できる。

演題2「中国モウソウチクにおけるスゴモリハダニの被害とバンカープラントの意義」

齋藤 裕 氏  北海道大学名誉教授 (13:00~13:45) 

中国福建省のモウソウチク林では、ナンキンスゴモリハダニがしばしば大発生し、甚大な被害を引き起こしてきた。その原因を調べた結果,スゴモリが大発生している竹林において天敵、特にタケカブリダニの個体数が少ないこと,一方,タケカブリダニが多数生息する竹林やススキでは,大発生が起きないことが明らかになった。そのメカニズムを詳しく調べる過程で、カブリダニとハダニの間に微妙で複雑な相互作用があること、さらに、複数の寄主植物を介した天敵との相互作用が害虫個体群の制御に重要であることが判明した。
本講演では、天敵と害虫ハダニの相互作用の実態と、バンカープランとの重要性について話題を提供したい。 

演題3「施設栽培で利用できるアブラムシ類天敵製剤の開発と利用法」

小原 慎司 氏  ㈱アグリ総研 (13:45~14:30)

施設栽培において生物農薬や選択性殺虫剤の利用が進んだ結果、潜在害虫であったアブラムシ類による被害が顕在化してきた。アブラムシ類の天敵には、寄生性と捕食性が存在し、状況により使い分けが行われている。また、寄生性天敵とバンカーを組み合わせた防除法も確立されている。しかし、既存の寄生性天敵製剤であるコレマンアブラバチを利用したバンカー法では、ヒゲナガアブラムシ類を防除することができない。
本講演では弊社で開発した資材をもとに今後のアブラムシ防除の在り方について話す。

演題4「IPMと薬剤抵抗性対策を踏まえた上手な病害虫防除」

山本 敦司 氏   日本曹達㈱ 生物的防除部会副会長 (14:30~15:15)

2018年6月に農薬取締法の一部が改正された。農薬の再評価制度の導入と共に、農薬使用者やミツバチへの影響評価、環境への影響評価など、農薬の安全性に関する審査が充実される。そのため、農業生産者が行う病害虫雑草の実防除場面でも、今後はさらに上手な防除の技術と知識が求められる。本講演では、IPM技術を駆使した防除にあらためて注目し、次の2点を話題提供する。①「ハチ類にやさしい病害虫防除」をより良く充実するにはどうするか。②IPMを担う技術の一つである化学的防除の課題「薬剤抵抗性管理・対策」を本腰でどのように現場で進めるか。聴講者の皆さんと討論したい。

オンライン講演会参加 申し込み要領

参加を希望される方は、氏名・所属・メールアドレスを<t3adati@nodai.ac.jp>宛てに送信してください。
講演会開催の前日までにZOOMのIDとパスワードをお知らせ致します。

主催:東京農業大学総合研究所研究会 生物的防除部会

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