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国際交流・留学

中国 中国農業大学(短期実学研修)

柴崎 彩永さん

国際食料情報学部・食料環境経済学科・4年(2019年時点)

万里の長城観光の様子

 今回の研修に参加した理由は、中国人観光客と関わりを持つ就職先になったことから、中国の食文化や、国民性を理解したいと考えたからです。今回、短期留学に参加する前と後では中国の印象が大きく変わりました。この2週間を通して中国について勉強、文化を体験、中国農業大学の方々と関わる中で学んだことをカテゴリーに分けてまとめていきます。

  • (1)中国の食文化
  •  滞在していた2週間、毎回食べきれないくらいの食事を提供してくれました。中国では、おかずを少し残すことがマナーであることを知りました。日本では、完食することが作ってくれた方に対する敬意を表すものになりますが、中国ではこのような行為は「おかずが足りなかった」という意味になってしまうのです。また、日本では直箸を使って料理をとることは好ましくないとされているが、中国では直箸で自分の料理も相手の料理も取り分けます。これは、一定の距離をとることが相手を大切に扱っていると考える日本に対して、距離をとらないことが相手への敬意を示し、親愛の気持ちを示すことになります。箸の使い方ひとつをとっても文化が大きくことなることに驚きました。また出迎えの時や誕生日の時には、麺を出してくれる文化があります。これは、これからも長くお付き合いが続きますように、長生きできまように!という意味が込められています。知らなければ普通の食事でも、食事の文化を理解することによって提供してくれるメニューを観て暖かい気持ちになりました。
  • (2)中国の大学生

 中国では、9月が新学期となるため、私たちが中国農業大学で勉強させてもらった期間はちょうど新入生の受け入れと重なることとなりました。大学に入学すると寮生活になるため、食堂では家を出ることになる新入生と家族が団らんしている様子を見ることもできました。私たちが関わらせてもらった学生さんは、母国語だけでなく英語、また他の言語も習得している方もいて、日本との勉強量の違いに驚きました。講義の後に英語で質問をしたり、英語で通訳をしてくれたり、日本語の意味も理解してくれて私ももっとグローバルになっていかなければならないと実感しました。上荘で働く方に中国の大学進学率について尋ねると中国では人口が多いため、学歴が低いと仕事が見つからないため努力をすると言っていました。年間の大学卒業者数は、日本が約60万人なのに対して、中国は700万人と約11倍近く多くなっているため、就職は海外に出る方も多いそうです。私も実際に就職活動の時に、中国の学生さんを多く見ました。その人たちも日本語をしっかり話していて、中国人大学卒業者のレベルの高さには衝撃を受けました。

〇農業

 中国は農業大国です。中国の食料生産量は年々増加しており、2013年60194万tから2017年には61971万tまで増加しています。昔は、野菜を生産するという考え方でしたが、現在は野菜工業という言葉もでてきています。実際に中国農業大学の農場を見せて頂いた時も、中国は労働力があるから手作業をしているのではないかという私のイメージは、農場のつくりをみて変わりました。また、日本の農家は生産をおこなうだけです。しかし、中国では生産したらその作物の生産方法も生産者が考えています。これは日本と大きく異なることだと思いました。販売まで自分の手で行うことで儲かる農業を実現ができるのではないでしょうか。ドローンを利用することによって、将来的には、上空から種をまいたり、空から画像を解析して除草剤や肥料を最適化したりと可能性はさらに広がります。中国の農業の発展は規模の大きさから世界全体を変えるものになると実感しました。今までは日本の農業のことだけを勉強していたが、これからは世界にも目を向けていく必要があると思いました。

まとめ

 この2週間の研修を通して、メディアからの情報とは違う中国をたくさん見ることができました。中国農業大学の学生さんと交流をしながら過ごした2週間は学生生活の中でも絶対に忘れない貴重な思い出になりました。この短期留学では、東京農業大学の学生も中国農業大学の学生も国境の壁なく仲良くなりとても素敵な仲間と出会うことができたと思っています。中国の学生さんたちの勉強に対する姿勢や、私たちを迎えてくれる優しさを観てこんな風に自分もなりたいと思えるたくさんの刺激を頂きました。現在4年生になりますが、もっとこのプログラムに早く参加しておきたかったと思っています。

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