東京農業大学

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キャンパスライフ

令和3年4月2日

東京農業大学学長
江口 文陽

式 辞

 本日、東京農業大学および同大学院に入学された皆さん、そして新入生を支えて下さるご家族の方々に、東京農業大学の教職員を代表して、心よりお祝いを申し上げます。

 今年は一堂に集って入学式を執り行うことを、私たちも楽しみにしておりました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、さまざまな場所で配信をご覧の方々とも心一つに、新入生の入学をお祝いしたいと思います。

 さて、皆さんは、本学での農学に関する学びと研究に期待の胸をふくまらせていることと思います。新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は、移動・集会・会話・会食などの行動を大きく制限することになりました。教育や研究への制限も、国内外の学生諸君にも及んでいます。皆さんが十分な勉学と研究に邁進できるよう、学長として全力でサポートしたいと思います。

 新型コロナウイルスに対する感染者数を見るとウィズコロナの状況がしばらく続くことに違いありません。感染防止を意識した対面授業での方法や健康管理、密を避けるためのeラーニングの導入などのもとで、キャンパス活動も組み入れ、「教育・研究の質」の確保を進めていきます。学生の皆さんが安心して勉学に集中できる環境づくりを提案し、東京農大方式の感染防止対策を実践していく所存です。それはこれまでの生活様式を大きく変貌させるものです。私たちは、新型コロナウイルスに対しての科学的な正しい知識をもって感染しない感染させない行動が必要です。それは大切な皆さん自身、そして皆さんを取り巻く多くの人々の命を守るためなのです。

 未曾有な状況の中、東京農業大学という新しい学びの場に入学された皆さんが、どのような目標を定めて、どのように学問に取り組むべきか、私の考えをお話しします。

 建学の祖 榎本武揚先生は、農学教育とは、理論と実践が兼ね備わったことが真の本物であり、産業との実りある連携が国や人への幸福を導くと提唱されました。初代学長横井時敬先生の名言「稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け」は、榎本学祖の提唱を実践、行動によって発せられた「農学の源」です。その源を社会に発信する場こそが、北から南まで日本各地に設置されたフィールド施設であり、他大学にはない“誇るべき宝”です。

 すなわち皆さんには、理論を学ぶと同時に東京農業大学というフィールドでさらには皆さんが生活するあらゆるフィールドで物、動植物、環境などの変化を五感で感じてください。その感覚で得た変化のメカニズムを知りたいと感じたら、調べる、聞く、実験することです。机上の論理だけでなく自然の変化に気付く実学に取り組んでください。

 また、物事を知らないこと自体は、恥ずべきことではありません。知らないことを自覚し、知ろうとする好奇心が、学問の面白さを生みだすのです。多くの恥を年相応にかいて五感を研ぎ澄ませて実学からの知識を深めて本物の知識と人格を育んでいただきたいと思います。

 東京農業大学には、130年の歴史の中で先達が培ってきた知的資源や人的資源が存分に蓄積されています。教職員、在学生、校友会、教育後援会および東京農業大学を取り巻く多くの応援者が皆さんを見守っているのです。皆さんはひとりではありません。農大同志の力を借りてキャンパスで学び、研究し、課外活動などにも力を注ぎ、多くの友と語り合うことで豊かな大学生活をスタートすることを期待します。

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は世界各国に、さらには大学という組織にも課題を突き付けてきました。その課題解決のため新しい時代の東京農業大学モデルを皆さんとともに実現し、充実した学部・大学院生活をおくれるように東京農業大学教職員は全員が一丸となって全力でサポートします。これからの皆さんの活躍を期待して入学式での式辞と致します。

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