東京農業大学

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食を通じてより良い社会を実現する「食のディレクター」を育成

学外協力者

一般社団法人南大隅町ブロンズ就業支援協議会(鹿児島県)

活動の動機と目的

わが国では、食料自給率が極めて低水準で輸入に依存し食料の安定供給や食品の安全性などが問題視されている。また、国内では高齢化や地域農業の衰退が進み、担い手の確保や農家の所得向上などが課題としてあげられる。このように日本の食料・農業・農村には様々な問題があるが、対策の一つとしては生産者と消費者の距離を近づけることがあげられる。我々が生産者と消費者の懸け橋となり、消費者に向けた情報発信や機会を提供していく事で日本の農業への関心や理解を深め、生産者を身近に感じてもらえるのではないかと考えたのが「もぐもぐProject」立ち上げの動機である。

もぐもぐprojectの歴史

 本プロジェクトは、2018年に開始し、山梨県の長谷川農園と笛吹高校と協力し規格外品となった桃の付加価値創出を目指して桃の瓶詰めを開発した。この取組みは生産者に対して農閑期の収入対策を提案することにも繋がった。また、農家のインタビューや加工過程などの動画広告を作成して販売時のPRに利用し消費者からは商品だけでなく生産者への理解も深まったという声も頂いた。
 2019年度は、長野県中川村の松村栄一農園と共に規格外りんごを活用した商品開発とプロモーション映像の作成を行った。この映像は、りんごの生産風景に加えてインタビューという構成になっており、SNSを通して発信した。実際に映像を見た方が松村栄一農園に問い合わせをしたケースもみられ、映像発信による効果を知ることができた。特に、松村栄一農園の既存の顧客層に対する効果が顕著であった。
 2020年度は新型コロナウイルスの拡大によって活動が制限されたが、リモート化、自家需要を促すために、農産物を使用した料理動画の作成を行った。この活動を通し、ECサイトへのアクセス数の増加、新規注文を得られたとの声をいただいた。また、収穫祭の代わりとなるマルシェの開催を通し、コロナ禍において販路確保し、生産者の想いを届ける場の提供にもつながった。

活動の具体的内容

 2020年度は、マルシェを行う中で課題となった「消費者の需要に合わせた商品の提案」ができなかった一方で、一連の活動を行う中でSNSの強みを生かせたことから、2021年度は、SNSを使用した「消費者参加型商品開発」を行なっていきたいと考えている。
 今回の消費者参加型商品開発は、フィールド研修でお世話になったことのある鹿児島県南大隅町の生産者の方々とともに実施していく予定である。対面での活動が制限されていることから、主に進行はオンラインで進めていく。また、メンバー間でもオンライン会議を重ね意思疎通を図る。生産者の既存の活動に支障のない範囲で生産者とともに実施していく。
 現在、サツマイモ、パイナップル、ミニトマトいずれかで商品開発を検討しており、当団体で一番のフォロワー数を誇るInstagram(2021年5月現在:4,057人)をはじめとしたSNSのアンケート機能を使用し、消費者の意見を取り入れながら開発を行なっていく。生産者の方との話し合いの上で、商品案を3~5つほど選定し、商品案を絞るために1回目のアンケートを実施する。そこで、最も需要の高い商品を実際に商品化する商品案として採用する。次に、それに見合う容器とパッケージ案を3~5つほど選定し、2回目のアンケートで1つに絞る。これらのアンケートにより、決定した商品案、容器、パッケージの商品開発を行なっていく。なお、現在の段階では加工は委託して行う方向性で検討している。
もぐもぐprojectで商品開発を行うことにより、特産品の認知度の向上にもつながると考えられる。また、SNSを使用することによる宣伝効果、都内のマルシェや大学での学園祭、オンラインショップ等の新たな販路拡大を提案できる。

(参加学生数 29名(応募時))

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