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食を通じてより良い社会を実現する「食のディレクター」を育成

赤かぶ染め-未利用資源活用プロジェクト

活動概要

私たちは長野県木曽町の未利用資源である、赤かぶを活用した布製品の開発、販売を目指して活動しています。赤かぶを当プロジェクトで扱う理由は、赤かぶの茎や葉を発酵させて作る特産物の郷土食材「すんき」を製造する際に、多用される葉に対して余って使われず、畑にすき込まれてしまうことが多いかぶの実の部分を、有効活用したいという学生の想いからです。その想いをより良い形で具現化するために、食品残渣から作った染料を使った布製品を製造・販売している、繊維商社である豊島株式会社の事業をリンクさせ、新たな木曽町の特産品を生み出したいと考えています。

2019年度は学生、企業、木曽町の3者で協議を行ったり、ワークショップを開催したりしながら、商品の感想やステークホルダーの検討等について話し合い、商品理解や親睦を深めることができました。交流の結果として、赤かぶ農家と豊島株式会社の直接契約が実現し、完成したサンプル商品を手に取りながら、さらに積極的な意見交換を行うことができました。

 そして2020年度は、学生による商品企画や開発、販売先を模索するために、様々な場所に赴きながら活動を行う予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でリモートでの活動が中心になりました。対面で実施していたものが全てリモートになり、サンプルを手に取りながら話ができなかったり、企業や木曽町の方から直接ご意見を伺えなかったりと、もどかしさを強く感じた一年でした。しかし、リモートで定期的な会議を重ねて意見交換を行えたからこそ、プロジェクトをスムーズに進行できたようにも感じました。扱う生地やパッケージデザイン等を学生が主体になって考え、12月には自分たちのこだわりと赤かぶの魅力が詰まったハンカチと箸袋を開発することができました。そして2月に完成品が届き、現在は販売先の模索に尽力しています。地域貢献がこのプロジェクトの目標のため、木曽町のふるさと納税や道の駅で商品を取り扱ってもらえるように、引き続き活動することを考えています。

木曽のハンカチ.jpg

木曽のハンカチ

木曽の箸袋 パッケージ.jpg

木曽のハンカチ パッケージ.jpg

木曽の箸袋.jpg

木曽の箸袋

木曽の箸袋(2).jpg

2020年度は販売という目標を達成することができませんでしたが、それでも木曽町の皆様や豊島株式会社の皆様の協力があり、無事商品の完成まで漕ぎ着けることができました。そして完成品が届いた際は、苦悩した末に生み出した商品だったので、感動もひとしおでした。今年度は様々なつながりが希薄になってしまいましたが、活動を通して遠く離れた地域の方や企業の皆様との見えない繋がりや結びつきの重要性、温かみを体感できました。今後も当プロジェクトの繋がりをより強固なものにできるように交流を継続し、地域をより盛り上げられるように頑張っていきたいと思います。

活動実績

活動内容
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新型コロナウイルス感染症の影響で学校への立ち入りが制限される中で、ZOOMやLINEなどのツールを活用し、新たに加入したメンバーに対して、今まで行ってきた赤かぶプロジェクトの活動内容を共有し、赤かぶの染料を使用した商品開発の役割分担を行った。
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開発中の赤かぶ染め商品の企画書作成し、商品の具体的なデザインやパッケージ、布の素材、色合いなど、具体的な商品の構想の考案を開始した。

27日には竹内先生と吉野先生を交え、商品デザインに関して意見をいただき、商品企画書の加筆修正を行った後、豊島株式会社へ商品企画書を提出した。

6
豊島株式会社から提出した商品企画書に対して改善点を頂いた。
7-8 返答を頂いた商品案の改善点を踏まえ、商品のデザインと商品を発注する際の個数に関しての調整を行い、豊島株式会社に対して商品の見積りと試作品の製作を依頼した。
9-10 豊島株式会社に依頼していた商品の試作品が届き、東京農大構内でサンプルの実物をメンバーで実際に確認した。その試作品から得られた改善案と採用したい素材などを話し合い、豊島株式会社へ製品の修正を依頼した。
11-2 豊島株式会社から商品の最終サンプルが届き、納得のいく商品となったため商品の発注を行った。また商品を販売する際に、木曽町に販売機会の創出を依頼するための企画書の作成を行った。

文:梶村瑠香

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