第3期中期計画「N2022」東京農業大学
第3期中期計画「N2022」 東京農業大学
第2期中期計画(2015~2018)の4年間は、1998年度農学部改組の第1次改革から20年を経て、第2次改革を敢行するものでした。本学のあるべき未来を見据え、また、社会の要請に応えるため、生命科学部を新設しバイオサイエンス学科、分子生命化学科及び分子微生物学科の3学科を、地域環境科学部に地域創成科学科を、国際食料情報学部に国際食農科学科をそれぞれ設置しました。農学部においても、学部の再編を行い、生物資源開発学科及びデザイン農学科の2学科を設置しました。生物産業学部においては、キャンパスの立地するオホーツクならではの教育研究をさらに推進するとともにそれに則した学科名称に変更しました。学部学科の新設とともに既存学部学科を再編し、入学定員の学科再配分を行い、盤石な教育組織を構築しました。これら一連の改革により、社会や受験者の多様な要請に応えうる組織としての拡大を図ってまいりました。また、改組にあわせ世田谷キャンパス新研究棟の建設に着手するなど、大学全体のインフラ整備、教育環境の充実も同時に進めてまいりました。
本学は、この第2次改革によって、更なる社会の変化に即応した農学分野の拡大と教育研究の高度化を図り、地域や国家を超えた人類社会に貢献できる人材を養成し、社会の負託に応えてまいります。第3期中期計画(2019~2022)では、これまでの目標達成状況を検証し、創立150周年にむけて、深刻な少子高齢化時代を乗り切るため、万全な準備を進めます。
令和3年4月
学長 江口 文陽
N2022の理念・目的
本学は、時代及び社会ニーズの変化を見据え、建学の精神「人物を畑に還す」、教育研究の理念「実学主義」が目指す、未来の地球、人類社会づくりに貢献する「農のこころ」を持つ人材を育成します。 本学の学生は、私たちの暮らしが多様な生命(いのち)に支えられているという自然界の摂理を理解し、自然や他者と共生しながらよりよい社会を作ろうとする熱意をもって、日々勉学に励んでいます。「生命(いのち)を大切にし、育む」「多様性を重んじ、他者を思いやる」「地球レベルで物事を考える」のが「農のこころ」です。 地域が、日本が、世界が直面する様々な課題を解決するため、農学や生命科学の知識や技術に基づく知恵と「農のこころ」をもつ人材を、社会は求めています。
内部質保証
(基本方針)
本学は、建学の精神及び教育研究の理念を念頭に、目的及び社会的使命を達成するために、組織的に点検・評価を実施し、改革・改善に努め、教育・研究水準を向上させ高等教育機関としての質を担保します。
- 全学審議会による各学部・研究科PDCAサイクルの支援機能強化/2019年より実施・2022年まで継続
- 全学自己点検評価委員会による内部質保証システムの有効性・検証機能強化/2019年より実施・2022年まで継続
- 教育研究活動等の自己点検・評価結果の公表/2019年より実施・2022年まで継続
教育研究組織
(基本方針)
本学は、時代及び社会の要請の変化を見据え、建学の精神「人物を畑に還す」、教育研究の理念「実学主義」が目指す、未来の地球、人類社会づくりに貢献する「農のこころ」を持つ人材を育成するため、適切な教育研究組織を整備します。
- 学部を基礎とした大学院研究科の再編成と設置/2020年から段階的実施(完成予定2025年)
- 学部大学院一貫教育制度の検討/2019年開始・2020年まで
- 学部付属施設の評価と再編/2019年開始・2022年まで継続
- 学園化にもとづく法人下各学校との協力や教育の連携
- 併設高等学校からの大学カリキュラム評価会の実施など、高大接続を意識した連携関係の構築/2019年開始・2022年まで継続
- 法人下各学校に対する教育資源提供の推進/2019年開始・2022年まで継続
教育課程・学習成果
(基本方針)
本学は、建学の精神「人物を畑に還す」に基づき、本学での学びを通して「生きる力」を育み、「農のこころ」をもって社会の発展に寄与する人材を輩出します。
そのため、教育研究の理念「実学主義」に基づき、総合的な農学教育を根幹とした実践的な専門知識・技術を修得し得る教育課程を編成します。
<学部>
- 教育研究の理念「実学主義」に基づく総合的な農学教育を根幹とした体系的な教育課程の編成
- 各学部・学科・課程ごとに、3つのポリシーに基づく教育課程の適切性の確認/2019年開始・2022年まで継続
- 能動的な学びや研究室活動・課外活動等を可能とするための教育課程のスリム化と教育内容の深化/2019年開始・2022年まで継続
- 教養教育・語学教育の検討と充実/2019年開始・カリキュラム改正可能時に順次実施
- 教育研究の理念「実学主義」を実現する効果的な教育措置
- 実験・実習・演習科目の方法や内容の検証と改善/2019年開始・2022年まで継続
- アクティブラーニング、PBLなど、新しい手法の取り入れが効果的な授業科目の確認と、それらに対する支援方法の検討/2019年開始・2022年まで継続
- 研究室や教員チームによる面倒見のよい教育の推進/2019年開始・2022年まで継続
- 学修成果の可視化による教育課程の改善
- GPAの活用を含め、適切な評価基準の設定と、学生の学びを推進する評価の実施/2020年
- 4年間の学修の集大成となる「卒業論文」で学習成果の把握と評価/2021年
- ディプロマ・ポリシーに対応する授業科目の特定、単位修得状況による学習成果の把握と評価/2019年
- 教育研究の理念「実学主義」に基づく総合的な農学教育を根幹とした体系的な教育課程の編成
- 教育課程の適切性の確認/2019年開始・2022年まで継続
- 研究室や専攻ごとに、先端性や特色のある研究テーマの継続/2019年開始・2022年まで継続
- 教育研究の理念「実学主義」を実現する効果的な教育措置
- 多様な進路を可能にする大学院教育の検討/2019年開始・2022年まで継続
- 適切な評価基準に基づき、院生の実力を測定しうる評価の実施/2019年開始・2022年までに実現
- 研究室や教員チームによる面倒見のよい教育の推進/2019年開始・2022年まで継続
- 学修成果の可視化による教育課程の改善
- GPAの活用を含めた適切な評価方法の確立/2020年まで
- 修士あるいは博士論文による研究力の育成、把握と評価/2020年まで
- ディプロマ・ポリシーに対応する授業科目の特定、単位修得状況による学習成果の把握と評価/2022年まで
- 卒業時DPに対する自身の達成度の評価/2022年まで
学生の受け入れ
(基本方針)
本学は、社会の要請と時代の変化を見据え、建学の精神「人物を畑に還す」、教育研究の理念「実学主義」が目指す、未来の地球、人類社会づくりに貢献する「農のこころ」を持つ人材を育成するため、アドミッション・ポリシーに基づき、意欲ある学生の受け入れを行います。
- 入学定員の適正管理および効果的な入学広報、キャンパスイベント、進学相談会等の実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 入試制度ならびに実施体制の検証
- アドミッション・ポリシーにもとづいた学生を受け入れる現行入試制度の検証/2019年より実施・2022年まで継続
- 学部学科のアドミッション・ポリシーの確認、現行入試制度の見直し
- 2020年度入試改革における大学入学者選抜の検討、本学の求める学生の受け入れ
- 留学生を受け入れる現行入試の検証/2019年より実施・2022年まで継続
- 海外拠点事務所の活用や海外現地入試の検討
- 日本語学校との連携
- 在学留学生数(学部・大学院170名(2018年度現在))を1.5倍に増加
- 優秀な学生を受け入れる新たなスカラシップ入試制度の検討/2019年より実施・2022年まで継続
- アドミッション・ポリシーにもとづいた学生を受け入れる現行入試制度の検証/2019年より実施・2022年まで継続
- 意欲ある学生を受け入れる広報戦略の検討と実施
- 「農」の学問領域の拡大を発信し、新たな志願層を取り込む広報戦略の策定と展開/2019年より実施・2022年まで継続
教員・教員組織
- 求める教員像
本学は、時代及び社会ニーズの変化を見据え、建学の精神「人物を畑に還す」、教育研究の理念「実学主義」が目指す、未来の地球、人類社会づくりに貢献する「農のこころ」を持つ人材を育成しています。そして、絶えず前進し、農学の領域を生命科学、生産科学から生活科学まで拡大し進化を続けています。本学は、それらを実現し得る能力を備えた教員を求めています。 - 教員組織の編制方針
教員組織の編制にあたっては、保有学位や専門分野に加え、年齢層や性別等の多様性、国際化への対応を考慮します。適切な教員組織の編制により、本学の教育研究の基盤となる研究室体制の充実を図るとともに、本学が目指す教育研究レベルの維持・向上に努めます。
- 教員組織の検証と最適化
- 国際化を推進し得る外国籍教員の増員/2021年継続
- 学部再編に伴う各学科の新たな教員定員数の履行/2022年
- FD活動の組織的な実施/2021年
- 優秀な教員を顕彰し、その手法を学ぶシステムの設定
- ディプロマ・ポリシーを実現するための教育の手法の点検と、その共有
- 高等学校教員、在学生、卒業生、企業などによるカリキュラムへの提案とその反映
学生支援
(基本方針)
本学では、社会の要請と時代の変化を見据え、建学の精神「人物を畑に還す」、教育研究の理念「実学主義」が目指す、未来の地球、人類社会づくりに貢献する「農のこころ」を持つ人材を世界に輩出するとともに、学生ならびに卒業生に愛される大学を目指し、「全ては学生の未来のために」を行動指針として学生支援を行います。
<修学支援>
- 学習意欲を促進させる修学支援の実施/2021年まで
- 多様な学生に対応した修学支援の実施
- 学生のもつ個々の力を伸ばす修学支援/2020年まで
- 教職・学術情報課程における就学支援/2019年より実施2022年まで継続
- 留学生のための修学支援/2019年より実施・2022年まで継続
- 各種講座開講等の学習機会の創出による語学力向上に係る支援
- 学生チューター制度による支援
- 奨学金による経済支援
- 障がいのある学生のための修学支援/2021年まで
- 授業料減免や奨学金など経済的な修学支援の検証/2019年
- 心身ともに健康な学生生活をおくるための生活支援の実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 活発な課外活動など充実した学生生活をおくるための生活支援の実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 多様な学生に対応した生活支援の実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 留学生のための生活支援
- 障がいのある学生のための生活支援
- 産業界のニーズに対応したキャリア形成プログラムの実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 進路希望に対応した支援プログラムの実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 学部・学科の特色を活かした進路支援の実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 大学院生のための進路支援の実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 多様な学生に対応した進路支援の実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 留学生のための進路支援
- 障がいのある学生のための進路支援
教育研究等環境
(基本方針)
本学は、教育研究が適切に行われるよう、キャンパス整備や施設設備の整備に努めるとともに、教育研究の質的向上を支援する教学的環境の整備を推進します。
また、各キャンパスが置かれている自然・社会環境を考慮し、特徴を活かした学生満足度の高いキャンパス整備を推進します。
- 学生満足度の高いキャンパス整備の推進と教育研究施設の充実
- 世田谷キャンパスにおける新研究棟建設に伴う学生の生活空間、課外活動等の場所と安全性の確保/2020年
- 厚木キャンパスにおける学生目線によるインフラ整備と、キャンパスの合理的なゾーン整備/2019年より実施・2022年まで継続
- オホーツクキャンパスにおける学生の生活環境の向上・改善のための改善案の策定及び実行/2019年より実施・2022年まで継続
- インターネット利用環境の整備/2019年より実施・2022年まで継続(コンピュータセンター/学術情報センター)
- 食サービスの安定化と向上の推進/2019年より実施・2022年まで継続
- 教育研究活動を促進するための支援の実施
- 研究推進の支援/2019年より実施・2022年まで継続
- 本学が取り組むべき戦略研究の選定と推進、研究成果の社会実装、科学研究費等、外部競争的資金申請の促進と採択率の向上
- 研究倫理順守の推進及び検証・改善
- 研究シーズ及び研究成果の発信力強化
- 図書館・学術情報サービスの機能向上及び検証・改善/2019年より実施・2022年まで継続
- 利用者ニーズを踏まえた蔵書コレクションの充実
- 利用者サービス向上等による学習施設の利用促進
- 学術成果の社会発信の促進
- 大学史資料及び貴重資料等の収集保存
- 学芸員実習施設としての質の向上/2019年より実施・2022年まで継続
- 情報教育の授業運営に係る支援強化/2019年より実施・2022年まで継続
- パソコン利用技術向上に寄与する情報処理関連資格の対策講座の実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 研究推進の支援/2019年より実施・2022年まで継続
- 教育研究における国際化を推進する環境の整備
- 国際化を推進するための基盤整備
- 国際化を推進するための研究環境の整備
- 国際化を推進するための教育環境の整備
- 博物館を活用した東京農大の歴史や将来展望の社会発信/2019年より実施・2022年まで継続
- 持続可能な社会構築における問題の解決に向け、学内横断的な研究体制の構築、研究力向上をふまえた研究戦略策定とその推進
- 学内教育研究施設の効率的な活用と将来における基本方針等の策定
- 3キャンパスにおける付属研究施設の運営改善
- 3キャンパスにおける付属研究施設の効率的な活用の検討
社会連携・社会貢献
(基本方針)
本学は、社会の要請と時代の変化を見据え、建学の精神「人物を畑に還す」、教育研究の理念「実学主義」に基づく教育研究を推進し、その成果を広く社会に還元することにより、未来の地球、人類社会づくりに貢献します。
- 企業・他機関との連携強化/2019年より実施・2022年まで継続
- 研究支援を中心とした6次産業化推進と包括連携による社会貢献活動
- 地方自治体との連携の促進/2022年まで
- 地域連携の推進による地域課題解決への取組を促進
- 博物館を活用した農林水産振興に資する情報の発信/2019年より実施・2022年まで継続
- 教員免許更新講習等の充実/2019年より実施・2022年まで継続
- 教職員による社会貢献の推進/2019年より実施・2022年まで継続
- 教職員による社会貢献の情報収集と学内外への発信
- 優れた功績のある教職員の表彰等、教職員個々の意識向上施策の推進
- キャンパス所在近隣地域との連携/2019年より実施・2022年まで継続
- 卒業生と大学をつなぐ各種イベント、情報発信の拡充/2019年より実施・2022年まで継続
- 博物館を活用した東京農大らしい収益事業の展開/2019年より実施・2022年まで継続
大学運営
(基本方針)
本学は、時代及び社会ニーズの変化を見据え、建学の精神「人物を畑に還す」、教育研究の理念「実学主義」が目指す、未来の地球、人類社会づくりに貢献する「農のこころ」を持つ人材を育成するため、本学の中期計画を確実・迅速に実現し得る管理運営体制を構築します。
- 適切な大学運営の実施
- 学長、学部長等の権限と責任の明確化とガバナンス力・マネジメント力の向上/2019年より実施・2022年まで継続
- 学内意思決定プロセスの検証/2019年より実施・2022年まで継続
- 教職協働による大学運営の推進/2019年より実施・2022年まで継続
- 適切な危機管理対策の実施/2019年より実施・2022年まで継続
- 中期計画の進捗管理/2019年より実施・2022年まで継続
- 適切な事務組織の整備
- 大学運営に寄与する事務組織体制の推進/2020年
- 大学運営に寄与する人材育成制度の構築/2019年より実施・2022年まで継続
- 東京農大ブランド力の強化に資する戦略的展開/2019年より実施・2022年まで継続