分子微生物学科
世田谷キャンパス
微生物は我々の目に見えないミクロの世界で活動し、動・植物の健康や地球環境の維持に多大な影響をおよぼしています。しかし人類がこれまでに発見できた微生物はその総数のほんの数%と言われています。本学科は微生物が関与する未知の生命現象を生命科学の力で解明する「微生物学」のエキスパートを育成します。
学科ニュース
学科紹介パンフレット
学科基本情報
※ 2017年4月開設
「微生物学」のエキスパートを育成する学科として
細菌学の野口英世、発酵学のパスツール、抗生物質のフレミングなど、「微生物学」は人類の平和や医療、食生活に貢献した偉大な科学者を生み出しました。近年では大村智博士が多くの人命を救い、ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
本学科は偉大な先人が微生物の研究を通じて生み出した輝かしい歴史を尊敬し、学び、そして未来の「微生物学」に秘められた無限のパワーと可能性を先端科学の力で追求することで、医療や創薬、動植物の健康、地球環境の維持・保全などの幅広い分野で、未解明の研究テーマにも果敢に挑戦する独創性に富む科学者の育成をめざします。
あらゆる微生物の発見と培養を可能とする最先端の技術と機器を集結
微生物はそのシンプルな構造からは想像もつかないほど、1つ1つの細胞がまるでヒトのように全く異なる個性を持っています。光エネルギー、温度、pH、O2やCO2などの大気組成、栄養素などのバランスを少し変えるだけでも培養できる微生物が異なります。本学科では、培養がむずかしい微生物、太陽エネルギーと二酸化炭素から有用物質をつくる微細藻類、酸素が無い環境でのみ生育し環境維持に貢献する絶対嫌気性菌、腸の健康や免疫反応に貢献する乳酸菌やビフィズス菌、他の微生物や動・植物と共生し、成長促進や免疫応答、病害を引き起こす微生物群やウイルスなどの多様な微生物を研究し、深い知識と様々な培養機器を使いこなす技術を習得します。
講義科目は微生物学(一)と(二)をはじめとした基礎微生物学と、分子細胞生物学、バイオインフォマティクスなどの生命科学分野の科目を充実し、3年次以降はより専門性の高い微生物学と、高度な培養設備を用いた実習を行います。これらを習得してはじめて、多様な微生物を研究する知識と技術が身につきます。
微生物に関する専門性を身につけ、あらゆる分野の産業に貢献する
近年では天候さえも微生物の活動が左右している、と言われるほど、「微生物学」の知識や技術が必要とされる研究分野は無限に増えることが予想されます。医薬品、食品、化粧品、検査・品質管理、環境浄化、バイオマス利用などの研究分野にとどまらず、バイオインフォマティクスや科学情報産業、光エネルギー産業、都市開発など、あらゆる分野の中枢で「微生物学」をマスターした人材を求める声が高まっています。
教員・研究室紹介
微生物機能分野
生物間相互作用分野
スポットライト
卒業生の声
PICK UP
2・3年次
必修
分子微生物学演習(一)~(四)
本演習では、分子・細胞レベルで多様な微生物の生態を理解し追究できる総合的な理解力、情報収集能力、および実験データを解析し広く発信できる能力の向上をめざします。低学年次に開講する演習(一)と(二)では、最新の学術情報を収集する方法や各研究室の最先端の研究成果を学びます。また(三)と(四)では、研究手法や原理を理解するための実験実習やデータ解析法など実践的な訓練をおこないます。
3年次
必修
免疫・生体防御学
人を含めた動物は、病原微生物やウイルス、がん細胞などの異物を認識して排除する「免疫」と呼ばれる防御機構を備えています。本授業では免疫、その他の生体防御に関わる多種多様な細胞やタンパク質、生理活性物質が織りなす巧妙な生体防御の仕組みについて学ぶと共に、近年ホットな腸内細菌による免疫力の増強効果などについても最新の知識を学びます。
3年次
必修
極限環境生物学
微生物は単細胞でありながら、生物学の常識をはるかに超える過酷な環境を生き抜く生命力をもっています。この信じがたい生命力は新薬の開発や健康分野に貢献する画期的な分子反応を秘めています。水がない砂漠や塩湖、酸素がない絶対嫌気環境、熱水が噴き出す深海、極寒の南極、火山周辺など、様々な極限環境に生息する微生物を紹介し、創薬・健康・環境などへの有効利用法を学びます。