東京農業大学

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国際交流・留学

台湾 国立中興大学(短期実学研修)

板垣 光星さん

農学研究科・林学専攻・博士前期課程1年(2019年時点)

生姜畑での集合写真

 私は日本と熱帯地域との農業の違いについて興味があり、特に熱帯農業の現場で用いられている農機具を見たいと思いました。私は現在、日本各地で使用された古農機具に関する研究を行っています。古農機具は、地域ごとに特徴ある進化を遂げてきた民具であり、地域の生活様式を解明する貴重な民俗資料でもあります。本学「食と農」の博物館に収蔵されている古農機具約3,600点の中から、牛や馬の畜力を利用した整地用具の「犂(すき)や馬鍬(まぐわ)」に注目し、木材工学を学ぶ立場から使用木材の樹種識別を行っています。

そんな中、4月に行われました留学フェアで、前年度にタイへ留学に行った方と話をすることができました。その方から、留学中に現地の農場で鍬のような農機具を手に取り、農作業を行った、という話が聞けました。そこで、日本の農機具と本学博物館には無い海外の農機具とは、形状や材質にどのような違いがあるのかということに大変興味を持ちました。日本以外の農業を自分の目で見て体験できる貴重な機会ですので、参加申込を行い、熱帯農業研修の台湾に行くことが決まりました。今回の参加メンバーで私が最高学年でしたので、リーダーを務めることになりました。

 まず留学前に、メンバー同士で顔を合わせる機会を設けました。特に台湾は私たちが留学に行く一か月前に、国立中興大学(台湾)の学生が交換留学で日本に来ます。その時に私たちが中心となって交流会などのおもてなしを行わないといけませんが、私たちの連携がとれていないと、中興大の学生に非常に失礼であると考えました。

 数回行った勉強会ではメンバー同士の交流だけでなく、台湾のことや中国語に関しても情報を共有したいと思いました。さらに台湾は、留学の終盤に留学中勉強したことや感じたことなどをまとめたプレゼンテーション発表(ファイナルレポート)を行います。メンバーに1年生が多かったことから、パソコン操作がどれほどできるかも知りたいと考え、勉強会では各自資料をつくってもらいました。

 台湾最大の桃園国際空港に降り立ってから、台湾中部に位置する中興大のある台中に移動しました。そこから台中を中心に台南、高雄といった台湾の主要エリアを貸切バスで回り、各地の農業試験場や農業法人を訪問しました。また、台湾最南端の墾丁国家公園や、最終日の前日には台北に行き、観光も楽しめました。圃場や施設を回る中で、いくつか農機具を見ることができました。生姜畑を訪れた際には、現地の方が鍬のような農機具を使って行う農作業を間近で見学できました。日本の鍬と比べると、刃は細く形状が異なっていましたが、柄の部分に使われている木材は日本の物と似ている樹種でした。また、サツマイモの施設では、日本の犂とほぼ同じ形状の犂も確認できました。それ以外には、留学中は写真を沢山撮影しました。特に台湾の農村は移動中のバスの中からしか見ることがでませんでしたので、その風景を記録しました。

 留学中よかった点は、メンバー全員がとても仲良く、てきぱきと動いてくれたことです。中興大の学生とも常にコミュニケーションをとり、また現場で説明を受けるときは、全員メモをとっており、積極的に質問をしていました。

 失敗した点は、自由行動の日の夜に女の子を一人で行動させてしまったことです。その子は現地の中興大の学生と一緒に夕食をとりたいとのことでした。途中の移動が一人になり、バス停で知らない男の人に声を掛けられ、少し付きまとわれたみたいですが、幸い何事もなく無事に合流できたようです。留学後半の台湾での生活に少し慣れてきたのもありましたが、海外ですのでもう少し危機感を持つべきでした。

 留学を終えて、今回自分の英語力の無さを肌で感じました。台湾の方々の英語は非常に流暢です。これからもっと英語を勉強する必要があると再確認しました。また、親しくなった中興大の学生とは、来年度の交流会や旅行の際などに、再会できればと思っています。

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